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【巨人】田口、今村初勝利で刺激…憧れ甲子園で99球プロ初完投「ホッとしています」

2016年4月28日6時0分  スポーツ報知
  • プロ初完投で今季初勝利を挙げた田口が、小林誠(右)と笑顔でハイタッチ
  • 9回1失点の好投を見せた田口

 ◆阪神1―11巨人(27日・甲子園)

 点差は関係なかった。田口は最後まで集中して腕を振った。10点リードの9回2死、板山をスライダーで一ゴロ。内野ゴロで17個のアウトを奪い1失点、わずか99球でプロ初完投だ。巨人の日本人の100球未満完投は、1990年6月15日阪神戦(東京D)の斎藤雅樹(97球)以来だ。達成感に包まれ「ホッとしています。やっと勝てて良かった」と満面の笑み。待望の今季初白星を最高の形で飾った。

 序盤から丁寧に低めをついた。投手への四球、先頭打者を5度出塁させるなど課題は残ったが、味方の好守にも救われ5併殺。自己最長の7回を楽々と超えた。「去年から長い回を投げたいと思っていた。変化球を低めに投げられました」。生え抜き高卒左腕の完投勝利は97年岡島秀樹以来だ。

 昨季1軍デビューして3勝。今季は初の開幕ローテ入りを果たした。春先に1軍で毎週、投げるのは未知の世界。しかも、開幕から4登板勝利なし。責任の重さを痛感した。普段は明るい青年が「穏やかに見えるかもしれないですが、こう見えてストレスを感じています」と本音を漏らした。

 未知の重圧に押し潰されそうな時、大好きな野球のアニメ「メジャー」の動画を見て心を入れ替えた。投手がホップするジャイロボールを投げ、日本人が大リーグで本塁打王に輝く。現実ではあり得ない設定もあるが「登場人物になりきって見ました」と自らと重ね合わせて闘争心をかき立てた。

 24日のDeNA戦(東京D)で、先輩左腕の今村がひと足先に今季初勝利。「正直言いますと、すっごく悔しいです」と大きな刺激を受けた。今回は中10日。前回16日の広島戦(東京D)は球が高く、簡単に外野に運ばれて3回4失点KO。動画で分析し「自分に負けていた。もっと向かっていく姿勢を出さないと」。腕を振って攻める投球を思い出し、好投に結びつけた。

 広島・新庄高時代に憧れ、あと一歩届かなかった甲子園での勝利。菅野に次いでチーム2人目の完投となった。「菅野さんのように最後まで任される投手になりたい。ここからどんどん勝ちを増やしていきたいです」。20歳の若き左腕が伝統の一戦で一本立ちした。(片岡 優帆)

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