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JR元町駅西口付近から神戸駅方面へ約1・2キロにわたって続く元町高架通商店街=神戸市中央区元町高架通(撮影・岡本好太郎)
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JR元町駅西口付近から神戸駅方面へ約1・2キロにわたって続く元町高架通商店街=神戸市中央区元町高架通(撮影・岡本好太郎)
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 JR神戸線元町-神戸間の高架下にある「元町高架通商店街」の商店主らに対し、JR西日本が借地契約の期間満了となる2017年3月以降、退去するよう求めていることが27日、関係者への取材で分かった。JR西によると、高架橋の耐震補強に伴う措置で、工事完了には数年かかる見通し。今後の具体的な利用計画は未定といい、戦後の闇市の面影を残し、兵庫県外にも根強いファンが多い“モトコー”が岐路に立たされている。

 同商店街の土地はJR西の所有。終戦直後の不法占有状態を経て商店主らと借地契約が結ばれた。通路を挟んだ南側は神戸市が歩道として借りていた経緯があり、契約には同市も関与。契約期間は北側がおおむね17年3月末、南側が同18年3月末で満了となる。

 南海トラフ地震などを想定し、JR西は12年、山陽新幹線や在来線の高架橋などの耐震補強を進める方針を決定。同商店街などがある神戸線の一部エリアも対象に含まれ、神戸線全体で22年度ごろの工事完了を目指している。JR西は「借地契約が切れるタイミングで工事に取り掛かりたい」とする一方、商店主らの再入居については「個別交渉」とするにとどめる。

 元町高架通商店街振興組合によると、現在は約300店が営業している。同組合の岡保雄理事長(68)は「耐震化の必要性は理解できる」とした上で「70年の歴史があるモトコーは神戸の大きなブランド。今後どうなるのか商店主らに不安が広がっており、契約満了後の対応についてJR西に詳しい説明を求めている」と話す。

 契約当事者でもある神戸市は「基本的にはJR西と借り主で話し合うべき問題」との立場。ただ、知名度の高い観光スポットとして事業に助成するなど積極的に支援してきた経緯もあり、JR西側に「商店主らと丁寧、誠実に協議するよう」求めているという。

 JR西は先行して期間満了となる北側の商店主らと、既に個別交渉を始めている。広報担当者は「それぞれ今後の要望を聞いている段階。元町高架下独自の文化は尊重していきたい」としている。

(若林幹夫)

【元町高架通商店街】戦後に食料品などを販売した闇市が起源で「モトコー」の愛称で親しまれる。JR元町駅西から神戸駅近くまでの高架下約1・2キロに及ぶ。「1番街」から「7番街」まで7区画に分かれ、幅約2メートルの通路両側にファッションやアクセサリー、輸入雑貨などの店が並ぶ。神戸駅側の西部には玩具やレコード、電化製品の部品など個性的な商品が集まっている。

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