感音性難聴の江塚が新弟子検査合格…病気と闘いながら市民大会で優勝の実績も
2016年4月28日6時0分 スポーツ報知
大相撲夏場所(5月8日初日、両国国技館)の新弟子検査が27日、国技館内の相撲診療所で行われ、受検した12人全員が体格検査を通過した。生まれながらにして感音性難聴と診断された江塚薫(16)=式秀=はハンデを抱えての角界入り。「10年以内には関取になれるように頑張りたい」と決意を語った。
両耳に補聴器を装着し、江塚は新弟子検査に臨んだ。169センチ、70キロの小さな体に大きな夢が詰まっていた。「式秀親方(元幕内・北桜)には『耳が聞こえないというハンデをバネにして頑張りなさい』と励まされました」。補聴器を外すと全く聞こえない病気と闘いながら、静岡・袋井市や焼津市のクラブで相撲を続けてきた。2012年には磐田市の市民相撲大会の中学生の部で優勝した実績もある。
「私生活では電話の受け答えには困っています。相撲では(行司の)『待った』の声が聞こえないので試合で何度か怒られたことがありますが、もう慣れました」と明るい声で答えた。8年前、大相撲の藤枝巡業を見学。現役だった式秀親方の豪快な塩のまき方にほれて角界入りを決意した。「目標は3年以内で三段目、5年以内で幕下、10年以内で関取になることです」と胸を張った。(今関 達巳)
◆江塚 薫(えづか・かおる)2000年2月2日、静岡・磐田市生まれ、16歳。市立神明中卒業後、高校受験に失敗して、角界入りを目指す。実家は市内で写真店を営んでいる。