過去のやり方が通用しなかったり、人生のレールのようなものもなくなったりしてしまった今、意思決定の方法を学んだり、決断力を身につけたりすることが必要になってくる。「答え」は誰も教えてくれない。となれば、自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかない。そんな「自分で答えを出すための思考法」を学ぶための一冊。
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1. 自分で決めていく時代の「決断思考」
変化が激しい今の時代、これまでの価値観や方法、人生のレールというものは、意味をなさなくなってきているということです。(中略)こんな時代に生きる私たちは、過去のやり方が通用せず、未来予想もうまくできないなかで、自分の人生や家族の将来を見据えながら、ひとつひとつ現時点で最善と思える「意思決定」を行っていかなければなりません(P.7,14)。
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ディベートでは、あるテーマを設定して(たとえば原発問題や首都移転問題)、それに対する賛成(肯定)意見と反対(否定)意見を徹底的に戦わせます。(中略)主観的な意見・主張はとりあえず横において、まずは一回、問題を賛否両方の視点から客観的に考えてみる。そうして問題の全体像を把握したうえで、最終的な判断を下すための根拠を得るーそう、ディベートとは、客観的に判断するための思考法だと言えるでしょう(P.15-16)。
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2. エキスパートではなくプロフェッショナルを目指せ
実学にも「知識・判断・行動」という三段階が存在します。実学の世界では、知識を持っていても、それがなんらかの判断につながらないのであれば、その知識にあまり価値はありません。そして、判断につながったとしても、最終的な行動に落とし込めないのであれば、やはりその判断にも価値はないのです。知識・判断・行動の3つがセットになって、はじめて価値が出てきます(P.27)。
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エキスパートというのは、ある分野についての専門的な知識・経験が豊富で、それを売ることで生きている人たちです。(中略)プロフェッショナルとは、(1)専門的な知識・経験に加えて、横断的な知識・経験を持っている、(2)それらをもとに、相手のニーズに合ったものを提供できる、という、2つの条件を持ち合わせた人材のことを指します(P.30,32)。
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「知識ではなく考え方を学ぶ」というのは、言い換えると、「答えではなく、答えを出す方法を学ぶ」とも言えます。ビジネスにも人生にも、「正解」なんてものはありません。自分の力でひとつずつ答えを出していかないといけない(P.38)。
著者紹介
瀧本 哲史(たきもと てつふみ、生年月日非公表)は、日本のエンジェル投資家、経営コンサルタント。京都大学産官学連携本部イノベーションマネジメントサイエンス研究部門客員准教授、株式会社オトバンク取締役。
この本を読んでの一言
人生を焦っても仕方ないとも私は思っていますが、自分の人生は自分で決めていくものであり、従って「自分で考えて・判断して・行動する」という姿勢は少なからず全員に必要な姿勢だと思います。ただ、「どのように考えたらよいか」を知らない、という方が多いという実情もあるように思います。まずは「どのように考えたらよいか」、それを知るためにこの本は最適なのではないかと思います。
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