毒草イヌサフラン食べ死亡 山菜と誤り 旭川
北海道旭川市で23日に、毒草のイヌサフランの食中毒とみられる症状で男性(75)が死亡する事故があった。雪解けが進み、大型連休などで山菜採りを楽しむ人が増える時期に入ったことから、道などは誤って毒草を食べないよう注意を呼び掛けている。
旭川東署によると、この男性はギョウジャニンニクと間違えて毒草のイヌサフランを食べたとみられる。
道立衛生研究所によると、ギョウジャニンニクは茎の部分が赤紫色を帯びニンニクの香りがするのに対し、イヌサフランは茎が緑色でにおいもないなどの違いはあるが、葉の形状などはよく似ていて見分けづらい。
道のまとめでは、山菜などと間違えて毒草を食べたとみられる食中毒の患者は2010年以降、今回の男性を除いて計18人に上る。12年4月に山菜のニリンソウと間違えて猛毒のトリカブトを食べた函館市の父子2人が死亡。昨年6月にも自宅の菜園に生えていたイヌサフランとみられる球根をゆでて食べた札幌市の80代男性が亡くなっている。
道立衛生研究所の佐藤正幸主幹(55)は「山菜と毒草が混生していることもある。一本一本よく確かめて、判断が自信のないものは『採らない、食べない、人にあげない』ことが大切」と指摘。「万が一異常を感じたらすぐにはき出し、食べていた物を持って病院に向かってほしい」と呼び掛ける。【一條優太】