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【コラム 撃戦記】

焦る気持ちありあり…しなやかさがなかった田口

2016年4月28日 紙面から

 田口は鮮やかな防衛と誇りたいところだが、内容はいまひとつだった。早くKOしたい気持ちが序盤からありあり。スピードはあるのに強打に頼ってしまい、体にいつものしなやかさがなかった。

 ランダエタは37歳。うまさに定評があるが、全盛期は過ぎている。勝つには田口のスピードとパワーを逆利用する頭脳戦しかないと思っていた。それほどまでに、現在の田口は充実している。なのに、気負いが強く、相手にロープを背負わせながらも詰め切れずに終盤までもつれ込んでしまった。ダウンを奪えたのは終盤の9回から。左のボディーブローでダウンを奪い、ようやく自分のボクシングを思い出したのだろう。10回、11回と立て続けにダウンを奪ってのKO決着で、ホッと胸をなで下ろしたことだろう。

 現在は階級上げてWBOスーパーフライ級王者になっている井上尚弥(大橋)とは、かつて日本王座を争って完敗している。いつかは統一戦をやりたいだろう。ファンも見たい。今回のV3戦は井上戦への夢ロードと思いたい。 (格闘技評論家)

 

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