中国農村部で肥満が「爆発的に増加」=研究
- 2016年04月27日
中国の農村部で若者の肥満が急増していると指摘する研究論文が発表された。社会経済の変化が背景にあるという。
欧州予防心臓病ジャーナル(EJPC)に掲載された研究論文によると、2014年時点で、19歳未満の男子の17%、女子の9%が肥満だった。調査を開始した1985年には男女とも肥満率は1%近辺だった。また、過体重(太り過ぎ)の男子は同時期に0.7%から16.4%に増え、女子は1.5%から14%近くに増加した。
中国山東省の学生2万8000人近くの学生を対象に、29年間にわたる調査を基にした今回の研究では、世界保健機関(WHO)が使用する体格指数(BMI)よりも厳しい基準を用いた。
欧州心臓病学会のユプ・ペルク教授はAFP通信に対し、「私が見た中で最悪の、子どもと未成年における肥満の爆発的な増加だ」と語った。
論文は、中国の社会経済や栄養状況の急速な変化が、カロリー摂取の増加と身体活動の減少につながったと指摘した。食事内容は、伝統的な中国料理から「高脂肪、高カロリー、少ない食物繊維」の食べ物に変化している。
男子を優遇
論文は、男子の過体重や肥満が目立つことについて、「伝統的、社会的に男子を優遇する傾向は特に農村部で見られる。そのため、家族の資金などリソースが男子により多く割り当てられている可能性がある」と指摘した。
今回の研究は、山東省の農村部に住む7~18歳の児童や学生に関する政府の6つの統計調査を基にしている。
研究者らは「栄養・運動・健康的な食習慣に関する教育と定期調査を含む、包括的な介入戦略」を推奨している。
(英語記事 China: Obesity 'explosion' in rural youth, study warns)