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STAP細胞、「つくることに成功した」と若山教授が発言…共同研究者も「見た」と証言

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2014年4月9日、会見を行う小保方晴子氏(撮影=吉田尚弘)
 一連のSTAP細胞論文問題をめぐり2014年12月に理化学研究所を退職した小保方晴子氏がその体験を綴った手記『あの日』(講談社)が1月に出版され、STAP細胞は再び世間の注目を浴びることとなった。そして先月、小保方氏がSTAP細胞のプロトコル(作製手順)をHP上で公開し、STAP細胞は科学的議論の場に戻った。


 果たしてSTAP細胞は存在するのか、しないのか――。判断材料が少ないこともあり、その議論は尽きない。理研がSTAP細胞論文の不正を調査した「桂不正調査委員会」の調査報告書は、科学者の中でも細胞工学の専門家ではないと、どういう経緯で不正があり、STAP幹細胞とされていたものがES細胞だったと結論付けられたのか理解できない内容だ。

 調査報告書は「調査には限界がある」と最終的な判断を曖昧にしている。「STAP幹細胞だとされたものを解析すると、それはES細胞に由来していた」とし、「STAP細胞の実験成果物は誰かがES細胞を故意に混入した疑いがあるが誰が混入したか特定できない」という「懐疑論」に終始している。理研はこの不正調査に総額8360万円をかけており、そのうち弁護士への相談費用が2820万円で、検証実験の1740万円より上回っている。 

「STAP細胞を3回見た」


 STAP細胞論文にはこの研究にかかわった科学者14人の名前が記載されており、そのうち小保方氏を含めた8人が主な実験や論文の執筆を担当している。論文には筆頭著者として小保方氏の名前があり、元理研CDB(旧発生・再生科学総合研究センター)副センター長の笹井芳樹氏、山梨大学教授の若山照彦氏、東京女子医大教授の大和雅之氏、元CDBで現在は熊本大学教授の丹羽仁史氏らが名前を連ねている。

 なかでも丹羽氏は2014年4月1日から行われたSTAP細胞を再現させる検証実験の責任者を務めており、理研が開催した同7日の記者会見でSTAP細胞実験の疑義について記者から「STAP細胞になるまでの実験を逐一見たか」という質問に対して「STAP細胞を3回見た」と答えている。以下がその会見の内容である。 

記者「STAP細胞ができていく様子をご覧になったと応答されていたと思うが、(中略)STAP細胞になるまでの一連の経過というのを、たとえば小保方博士の横で実験を逐一くまなくご覧になっていたわけではなくて、あくまでビデオでつくられていく過程を検証したのみに過ぎないのか」