EQが高い人材を採用するために
すべきこと、やってはいけないこと
採用選考で、知力と技能だけでなく「心の知性」を見極めるにはどうすればよいか。EQの権威ダニエル・ゴールマンやリチャード・ボヤツィスとも共著を出している筆者アニー・マッキーは、「行動結果面接」を勧める。
自分や他者の感情を適切に理解し、管理できる人ほどよいリーダーになれる。これは研究で示されており、常識的にもわかることだ。このようなリーダーはストレスにうまく対処し、障壁を克服し、共通の目標に向けてチームの意欲を喚起する。また、しこりを残さずに軋轢を解決し、チームワークを強化する。そして、そういうリーダーほど仕事で幸福感を抱いている。
しかし現実には、あまりに多くのマネジャーが、基本的な自己認識と社会的スキル(他者とうまく関わる能力)を欠いている。自分の感情や醸し出す雰囲気が他者にどう影響するかを理解していない。変化の激しいこの世界で必要な適応能力も十分にない。そして、他者に対してごく当たり前の共感を示すことがない。人々が何を求めているかを理解していないので、それに応えることができず、彼らを行動へと駆り立てられないのだ。
私たちの職場に心の知能指数(EQ)が圧倒的に不足している理由の1つは、EQに優れた人材を雇う努力をしていないことにある。採用で重視されるのは経歴だ。出身校、成績とテストの点数、技術的スキル、資格などが問われる一方で、素晴らしいチームをつくれるか、他者とうまく関われるかについてはなおざりにされている。私たちが人を判断する際に頭の良さを重視する限り、雇用では知能が基準となる。
たしかに、知能に優れ、経験豊かな人材は必要だ。しかし、他にも求められる能力がある。変化にうまく対応できること。他者を理解して意欲を喚起できること。正負両方の感情をうまく管理して、誰もが最高の力を発揮できる環境をつくり出せる能力も必要である。
問題は、採用時にEQを評価するのが困難なこと(たとえ性格検査や調査会社に大枚をはたいたとしても)、そして、その方法を誰にも教わったことがないことである。だが、EQに基づいて人材を選ぶことは可能だ。費用もたいしてかからない。お望みの方はまず、以下に説明する「すべきこと」と「避けるべきこと」から始めてみよう。
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