Read Article

広告

痛風の薬

広告

痛風の治療は薬物での治療がメインになりますが、現在どのような薬が使われているのでしょうか。

◆ 治療の種類
高尿酸血症の状態では血清中の尿酸値を下げる薬を使います(高尿酸血症は血清中の尿酸が7.0mg/dl以上ある状態で痛風の予備軍)。
しかし、痛風を起こしている状態では、患者さんは痛くて歩けないので生活に支障が出ます。
そこで、痛風発作を起こしているのであれば、先に関節の炎症を抑えて、そのあとで尿酸値を下げる薬を使います。
また、痛風の前兆時に予防として使用する薬もあるので、患者さんの状態によって薬は選定されます。

◆ 治療の目標値
痛風発作を起こしている患者さんであって、炎症を抑える治療をしていても、最終的には、尿酸を目標の値まで下げる必要があります。
体内に析出沈着している尿酸結晶は、尿酸値を6.0mg/dL以下にしないと溶け出してきません。
このため、血清中の尿酸値は6.0mg/dL以下が治療目標になります。

◆ 高尿酸血症の治療薬
尿酸値を下げる薬は、尿酸の生成を抑える薬(尿酸生成抑制薬)と、尿酸の排泄を促進させる薬(尿酸排泄促進薬)の2つに分けられます。

尿酸生成抑制薬:尿酸はプリン体から作られますが、この過程で使われるキサンチンオキシダーゼ(XO)という酵素を阻害し、尿酸を作れなくすることによって血清中の尿酸値を下げます。
代表的な尿酸生成抑制薬:アリプリノール、フェブキソスタット
2016-04-28_075347

尿酸排泄促進薬:尿酸の尿中排泄を促進し、血清尿酸値を低下させる薬です。
代表的な尿酸排泄促進薬:ベンズブロマロン、プロベネシド、ブコローム
2016-04-28_075657

◆ 痛風の前兆時の治療薬
痛風発作の前兆期には、コルヒチンを少量用いて発作が起こらないようにします。
日本では、発作の早期に少量用いるのが一般的なようです。
コルヒチンの副作用で、最も多いのは消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐など)です。

2016-04-27_181948

◆ 痛風発作時の治療薬
痛風発作の極期(前兆期の後)には、炎症を抑えなければならないので、非ステロイド抗炎症薬の短期大量投与(NSAIDsパルス療法)を行います。
非ステロイド抗炎症薬(NSAID:nonsteroidal anti-inflammatory drug)はその名の通り、ステロイドとは異なる作用をもつ薬剤で、急性炎症である痛風関節炎治療の中心的な薬です。

代表的な非ステロイド抗炎症薬は、インドメタシン、ナプロキセン、オキサプロジン、ブラノプロフェンなどで、いずれも内服薬です。
2016-04-28_080415

痛風発作時の治療の注意点は、急激に血清尿酸値を変動させると発作をさらに増悪させる可能性があるので、発作中には尿酸を下げる薬を使わないのが原則です。

[参考記事]
「痛風発作とは」

URL :
TRACKBACK URL :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

Return Top