遷座祭から1年、稚児が舞う 京都・下鴨神社
京都市左京区の下鴨神社は、21年に1度行う最重要神事の式年遷宮・遷座祭から丸1年を経た27日、「後(あと)一年大祭」を行った。約千年前に京都から伝えられ、現在も伝承されている富山県射水市の子どもによる稚児舞が神社で初めて披露され、参拝者を魅了した。
祭神に遷座祭の無事を伝え、感謝する神事。
午前11時に始まり、新木直人宮司ら神社の神職や、おしろいを塗って大人の男性に担がれた射水市の小学生6人らが境内に入った。本殿の扉が開けられ、祝詞が奏上された後、稚児たちが舞を奉納した。
稚児舞は、11世紀後半に白河上皇の命で、現在の射水市内に下鴨神社の荘園が置かれたころ、京都から伝えられたという。現在は下鴨神社には伝わっていないが、射水市の加茂神社では、毎年9月に地元の下村小の児童による稚児舞が披露される。国の重要無形民俗文化財。
稚児たちは、本殿前の舞殿に上がり、太鼓と笛に合わせて、体を前後に揺さぶりながらゆっくりと回る所作を繰り返した。稚児の下村小5年小川寛斗(ひろと)君(10)は「少し緊張しました。歴史を感じる下鴨神社で、うまく舞いたいと思っていました」と話した。
【 2016年04月27日 22時20分 】