規制委 福島第一原発の廃炉巡り東電社長に要望

規制委 福島第一原発の廃炉巡り東電社長に要望
福島第一原子力発電所の廃炉について、原子力規制委員会の委員らが東京電力の廣瀬直己社長と意見を交わし、汚染水を処理したあとの水を海に放出する処分など、安全上、望ましい方法を選び、地元などの理解を得るよう求めました。
原子力規制委員会は、福島第一原発の廃炉など巡り東京電力の廣瀬社長と意見を交わす会合を開きました。

福島第一原発で、タンクで保管されている汚染水を処理したあとのトリチウムと呼ばれる放射性物質を含む大量の水について、田中委員長は「処理して海に流すのがタンクでためるより安全だ。風評被害の問題は出るが、誠意をもって住民に必要性を言うべきだ」と述べました。

田中委員長は、溶け落ちた燃料の冷却についても、熱量が下がっているとして、空気を循環させて冷やす方法の検討を提案し、安全上望ましい方法を選び地元などの理解を得るよう求めました。

会合のあと、廣瀬社長は記者団に対し、トリチウムを含む水の処分について、「難しいところだと思う。社会の理解が必要だと言うことは全くの事実なので、それについて進めていくのだと思う」と述べました。

トリチウムを含む水を基準以下に薄めて海に放出する方法を巡っては、27日、福島県漁業協同組合連合会は「風評の払拭(ふっしょく)に向けた漁業者の努力がむだになる」などとして、あくまで反対していく姿勢を貫くことを申し合わせています。