バラク・オバマ米大統領は広島を訪問するかどうかを問われても答えなかった。
オバマ大統領は22日(現地時間)午後5時15分、英国のキャメロン首相とロンドンで首脳会談を行った後、そろってカメラの前に立った。すると、「『来月27日に広島を訪問する案を日本政府と調整中』という日本メディアの報道は事実か」という質問が出た。オバマ大統領は「私がアジアを訪問するまで、アジアの質問は待ってほしい」と言った。直接は意思表明しなかったが、行かないとは言っていないことになる。ホワイトハウス側も23日の論評で、「オバマ大統領が広島を訪問するかどうかはまだ決まっていない」と述べ、訪問の可能性を残した。
オバマ大統領の広島訪問は11日、ジョン・ケリー米国務長官が現職の米国閣僚としては初めて広島の原爆死没者慰霊碑に献花し、国際社会のホット・イシューとなった。ケリー長官は主要7カ国(G7)外相会談出席のため日本を訪れた後、原爆投下時の資料が保存されている広島平和記念資料館を見学し、「世界中のすべての人が資料館の持つ力を目で見て感じるべきだ。いつか米大統領もその『すべて』の一人となり、ここに来られることを願っている」と述べた。この時から、オバマ大統領訪問のため下地作りをしているのではないかという声が上がっていた。読売新聞やフジテレビなど複数の日本のメディアは「オバマ大統領の広島訪問が確定した」という記事を相次いで出した。そのたびに、米日政府は「決まったわけではない」とコメントした。
オバマ大統領の同日の記者会見後、ホワイトハウス関係者は「来月のG7伊勢志摩サミットに出席するため日本に行くにあたり、広島に行くかどうかまもなく決定を下すだろう」と明らかにした。朝日新聞など日本のメディアは「ホワイトハウスは今月中に最終的な決定を出すものと見られる」と報じている。