春の園遊会 宇宙飛行士の油井さんらが懇談

春の園遊会 宇宙飛行士の油井さんらが懇談
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春の園遊会が開かれ、宇宙飛行士の油井亀美也さんなど1800人余りが、天皇皇后両陛下や皇族方と和やかなひとときを過ごしました。
園遊会は、両陛下の主催で、毎年、春と秋の2回、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれています。
両陛下は、27日午後、皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻など皇族方と、庭園を回って招待者と懇談されました。療養中の雅子さまは、去年の秋に続いて短時間園内を歩かれました。
去年、国際宇宙ステーションで5か月近くにわたる任務を果たした宇宙飛行士の油井亀美也さんに、天皇陛下が「健康のほうは大丈夫でしたか」と話しかけられると、油井さんは「一生懸命運動をしましたので、健康に戻ってまいりました」と述べました。また、皇后さまが、油井さんがロボットアームで捕まえた日本の宇宙輸送船「こうのとり」の大きさを尋ねられ、油井さんが大型バスと同じくらいだと答えると、天皇陛下が「バスぐらい」と驚きの声を上げられていました。
去年、ノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが「重力波があることが分かったので、一刻も早く検出ができるように頑張っています」と話すと、天皇陛下が「理論が実際に検証されるということは本当にすばらしいことですね」とこたえられていました。
東日本大震災と原発事故の発生から5年を迎えた福島県の内堀雅雄知事が「先月も含め、震災後幾度も足をお運びいただきまして、本当にありがとうございます」と述べると、天皇陛下は、これまでの苦労をねぎらわれていました。そして、内堀知事が、熊本地震に触れて、「私たちは、九州の皆さんからたくさんのご支援をいただいたので、少しでも恩返しできればと、支援を進めています」と話すと、両陛下は「ありがとう」「本当にご苦労さま」などと話されていました。
27日は、熊本地震の被災地、熊本県八代市の永原辰秋副市長も招かれ、両陛下がことばをかけられる場面もありました。副市長が、今も余震が続き、多くの人が避難していると説明すると、両陛下は「大変ですね。体に気をつけて頑張ってください」と話されたということです。
園遊会に出席した1800人余りの人たちは、記念写真を撮るなどして、和やかなひとときを楽しんでいました。
両陛下からことばをかけられた宇宙飛行士の油井亀美也さんは「両陛下には、私のミッションをねぎらい、体調を気遣っていただきました。私がミッションを成功できたのは、いろいろな方に支えていただいたおかげで、ここにいられるのもそういう方々のおかげだと感謝の思いを新たにしました」と話していました。

熊本地震の被災地、熊本県八代市の永原辰秋副市長は「『今も余震が続いていて、家に帰れない人がたくさんいる』と説明したところ、両陛下から『大変ですね。体に気をつけて頑張ってください』というお見舞いのことばをいただきました。両陛下が被災地のことを心配し、お気持ちを寄せていただいていることは大変ありがたく、励みになっています」と話していました。