【ブリュッセル=森本学】金融支援中のギリシャが財政改革を約束通りに進めていると欧州連合(EU)など債権団が承認する「第1次評価」を巡って、月内合意が厳しい情勢となってきた。22日のユーロ圏財務相会合ではギリシャが追加の財政緊縮策を提出すれば、28日に臨時の財務相会合を開いて合意を目指すと表明。しかし追加策を巡る調整が難航し、28日の開催は見送りとなった。
ユーロ圏財務相会合の報道官が公式ツイッターで26日夜、「さらなる時間が必要だ」と、28日の財務相会合の見送りを明らかにした。ギリシャは第1次評価で「合格」しなければ追加融資を受けられない。ギリシャ地元紙は26日、ギリシャのチプラス首相が交渉打開のため、緊急EU首脳会議の開催をEUに求める方針だと報じた。
ギリシャ改革を巡っては国際通貨基金(IMF)が緊縮策の上積みを主張。ユーロ圏は22日に打開策として、ギリシャが財政目標を達成できない場合に自動的に発動する「緊急対応プラン」として、国内総生産(GDP)2%分の追加緊縮策を要請すると決定。週明けからアテネで事務レベルで交渉していた。
第1次評価を巡る合意は当初、昨年秋に終了する予定だった。大幅な交渉の後ずれで、ギリシャが昨年のように再び資金繰り難に陥る懸念がくすぶり出している。