あなたは、地声と裏声の境目で、切り替えがうまくいかず、急に声の強さや音質が変わってしまったり、音が不安定になってしまうことはありませんか?
地声と裏声を上手く切り替えるには、適切な手順を踏んで練習することが大切です。
そこで今回は、地声と裏声をスムーズに繋げるためのトレーニング手順について解説していきたいと思います。
1.『地声と裏声をスムーズに繋げる』とは?
まずは、私の録音を聴いてみてください。
1-1.【失敗例】
【失敗例】では、地声と裏声の境目で声がコロッとひっくり返っていて、声質の変化が目立っていますね。
1-2.【成功例】
それに対し、【成功例】では地声と裏声の境目がスムーズに繋がっており、どこで地声と裏声が切り替わったのか分かりにくくなっていると思います。ちなみにミックスボイスという用語は、『地声と裏声の中間的な声』を指す場合だけでなく、このように地声と裏声の境目をスムーズに繋げるテクニックを指す場合もあります。
※ 地声と裏声の中間的な声を意味するミックスボイス(ミドルボイス)について詳しく知りたい方は、『1オクターブ高い声だって楽に出せるミックスボイスの秘密』をご覧ください。
2.なぜスムーズにつながらないのか
地声と裏声がスムーズに繋がるためには、前提条件があります。それは・・・
『繋げようとする地声と裏声の「声量 」、「声質」、「発声のフォーム」に大きなギャップがないこと』です。
例えば、
『高い地声は強くしか出せないのに、裏声は弱々しくてスカスカ』
『地声で高い声を出そうとすると顎が上がってしまう』
といった場合には、地声と裏声の声量・声質・発声のフォームにギャップが生じてしまうため、上記の前提条件を満たすことができず、スムーズに繋げることができないのです。
3.地声と裏声をスムーズにつなげる3つの手順
それでは、地声と裏声をスムーズに繋げるためのトレーニング手順を解説していきます。
3-1.自分の声を分析する
前提条件をクリアするためには、まず自分の声の状態を知ることが第一歩となります。
地声の方が強いのか?裏声の方が強いのか?
地声と裏声に声質の差はないか?
地声発声時と裏声発声時でフォームに違いはないか?
自分の声にしっかりと耳を傾け、分析します。
3-2.地声と裏声のバランスを整える
自分の声の分析が終わったら、地声と裏声のバランスを整えていきます。
地声が強すぎる場合は張り上げを抑え、裏声を強化していきます。
また、地声が弱すぎる場合は、裏声が強すぎるということはあまりないので、地声を強化することに集中しても良いでしょう。
そして、声質は裏声の息漏れを少なくしていくことで統一感を出し、フォームも極端に変わらないように整えていきます。
3-3.地声と裏声をスムーズに繋げてみる
地声と裏声のバランスが整ったら、実際に繋げていきます。
以下のようなステップを踏めば、徐々に繋げられるようになると思います。
3-3-1.得意な母音をサイレンのような声で繋げてみる
いきなり『ドレミファソラシド』というように音階で繋げるのは難易度が高いので、1-2.の【成功例】のように、サイレンのように滑らかに音を移行させながら繋げる練習をすると良いでしょう。また、例では「ア」の母音で繋げていますが、得意な母音から練習を始めるとコツをつかみやすいと思います。音についても、上昇の方がやりやすい場合は上昇から、下降の方がやりやすい場合は下降から始めると良いでしょう。
3-3-2.慣れてきたら別の母音に挑戦
繋げる練習をしていると、はじめのうちは10回に1回成功していたのが、10回に3回、10回に5回といったように、成功率が上がってくると思います。ある程度成功率が上がってきたら、今度は別の母音でも繋げられるように練習していきましょう。母音が変わると意外と難しく感じると思いますが、歌の中で使っていくためには、どの母音でもスムーズに繋げられる必要があります。
3-3-3.音階で繋げてみよう
どの母音でもスムーズに繋げられるようになったら、『ドレミファソラシド 』と音階で繋げてみましょう。音階にすると急に難易度が上がります。慣れないうちはできるだけゆっくりやると上手くいく場合が多くなると思います。
4.まとめ
いかがでしたか?うまく繋がりましたか?
地声と裏声をスムーズに繋げるには、絶妙な筋力コントロールが必要となるため、一朝一夕で上手くいくものではありませんが、必ず繋げることができるようになりますので、根気強く練習してみてください。
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