志賀原発1号機の断層「動く可能性否定できず」

志賀原発1号機の断層「動く可能性否定できず」
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石川県にある志賀原子力発電所1号機の下を通る断層について、原子力規制委員会の専門家会合は「将来動く可能性は否定できない」とする評価書を規制委員会に報告しました。結論が覆らないかぎり1号機は再稼働できず、廃炉になる可能性があり、今後、北陸電力の申請を受けて行われる再稼働に必要な審査での議論が焦点になります。
志賀原発1号機の下を通る断層を巡っては、北陸電力が「活動性はない」と主張していますが、規制委員会の専門家会合は去年7月に続き、先月も「将来動く可能性は否定できない」という見解をまとめ、27日に正式な評価書として規制委員会に報告しました。
評価書では、この断層の1号機の周辺部分について「12万年から13万年前の後期更新世以降に活動したと解釈するのが合理的と判断する」としています。
一方で、今回の評価が建設当時の断層のスケッチなど限られたデータに基づいていて、断層の延長線上にある1号機の南東側の調査では後期更新世以降の活動の形跡は見られないことから、より正確な評価をするにはさらに詳しい分析やデータが必要だとも指摘しています。
新しい規制基準では将来動く可能性のある断層の上に原子炉建屋など重要な施設の設置を認めておらず、結論が覆らないかぎり1号機は再稼働できず、廃炉になる可能性があります。
北陸電力は今後、1号機の再稼働に必要な審査を申請する方針で、この審査で新たに出されるデータや議論が焦点になります。
一方、1号機と2号機の原子炉につながる冷却用の配管の下にある別の断層については「将来地盤を変形させる可能性がある」としており、設備の移設や補強など大がかりな変更が必要になる可能性があります。