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前回「FinTechの今 グローバルから見た日本」は、グローバルの動向として、FinTech投資規模の加速度的な増加と「資産管理」や「トレーディング」といった、より複雑な金融プロダクトに踏み込んだ投資が増加傾向にあることを示した。
その上で、グローバルと日本のFinTech市場の差異について、FinTechエコシステムを支える5つの柱を示しながら考察した。日本に目を向ければ、2015年はFinTechやその可能性に関する認知が急速に進み、監督機関などによる規制緩和の議論も進められている状況だ。
2016年の市場動向を占う上では、伝統的な金融機関によるFinTech活用が具体的な動きとして現れるか否かが、そのカギを握るだろう。
これらを踏まえ、今回は日本における金融とテクノロジの歴史から現在のFinTechが期待を寄せられている背景について全体を俯瞰した上で、FinTechが金融ビジネスに与えるインパクトについて考察したい。
これまで金融機関は装置産業と呼ばれ、テクノロジの進化と共に歩んできたと言える。しかし、その金融機関がFinTechをこれまでの延長としてのテクノロジの進化ではなく、パラダイムシフトとして捕らえている。その理由はどこにあろうか。
まず、日本におけるこれまでのトレンドを少し振り返ってみよう。近年の金融ビジネスにおけるテクノロジは「機械化」の歴史であった。銀行でいえば、1960年代の第1次オンラインシステム構築から1970年代の第2次オンラインシステム構築までは、預金口座元帳の記帳、現金預入・払出などの金融取引を機械処理することで、いかに正確かつ迅速な取引を実現するかが命題であった。
それは、現金自動預払機(ATM=Automated Teller Machine)、通帳自動繰越機などの言葉にもこの発想が顕著に表れている。テクノロジに求められるものも、大量の金融取引を正確・短時間にこなすための、堅牢性や処理性能が重要であった。
その後、1980年代から1990年代の第3次オンラインシステムやポスト3次オンラインシステム、オープン化の流れを受け、金融機関同士の接続や、金融機関内でのシステム間連携が容易となり、金融ITはトランザクション処理のみから、取引情報を基にした情報系業務や、定型事務処理を行う装置へと進化してきた。
FinTechが、ここまで急速に認知され、期待を寄せられている背景は、昨今のデジタル化の動きが大きい。顧客は、デジタル化の進展を通じて、さまざまな情報にリーチすることが容易になった。
また、多様な選択肢が手元に届けられることが当たり前となった結果として、顧客は高度にリテラシーを高め、また表面的なニーズではなく、より本質的な欲求を充足してくれるかどうかで、サービスを選択するようになっている。
弊社が2014年にグローバルで行った消費者アンケート調査(※1)では、実に18%の消費者が過去半年間で従来利用してきた銀行から乗り換えたと回答した。一部の商品やサービスに限って新たな銀行の利用を始めたと回答した消費者に至っては27%となっており、成熟市場に限っても20%という結果になっている。
さまざまな要因が想定しうるが、顧客が真のニーズに応えてくれる企業・サービスを求めて、乗り換えを行っていることの証左のひとつであろう。(※1:アクセンチュア(2015)Banking Customer 2020 - Rising Expectations Point to the Everyday Bank)
多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?
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