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相川社長が引責辞任へ 燃費データ不正

燃費データの不正問題で国交省に報告書を提出し、記者会見で厳しい表情を見せる三菱自動車の相川哲郎社長=東京都千代田区で2016年4月26日午後5時、徳野仁子撮影

 三菱自動車の相川哲郎社長が、軽自動車の燃費データ不正問題の責任を取り、辞任する意向を固めたことが26日分かった。同日社内に発足させた外部弁護士による特別調査委員会の検証結果取りまとめなど事態収拾に一定の道筋をつけた後に退任する方向。国内初の燃費データ偽装問題は経営トップの引責辞任に発展する見通しとなった。

 三菱自は同日、社内調査結果を国土交通省に報告。その後に省内で記者会見した相川氏は「本件は会社の存続にかかわるぐらいの大きな事案」との認識を示しつつ「今後の再発防止策を作ることが今の私の最大のミッション」と進退の明言は避けた。しかし2000年代のリコール隠し以降も繰り返される不祥事に大株主の三菱グループ各社からも「トップの責任は重い」との声が出ており、退任は不可避と判断した。

 記者会見では13年6月発売の「eKワゴン」、日産自動車に供給している兄弟車種「デイズ」について、最も燃費の良いグレードの目標燃費を11年2月以降、競合他社の開発情報を得る度に5回引き上げ、発売直前の13年2月に11年2月時点より1割高いガソリン1リットル当たり29.2キロとしていたと報告。その目標を達成するために国交省に届け出る燃費性能の基礎データ「走行抵抗値」を意図的に改ざんしたことを明らかにした。

 さらに2車種の他のグレードやその後の一部改良モデル、14年2月発売の「eKスペース」、日産「デイズルークス」は、本来必要な走行実験すら行わず、社内の燃費目標に合わせる形で走行抵抗値を机上でねつ造していた。軽4車種の不正発覚による中古車価格の下落分を購入者に補償することを検討中とした。

 これら意図的なねつ造とは別に、問題の軽4車種を含む1991年以降発売のほとんどの国内販売車種について、国内法規で定められた方式と異なる「高速惰行法」で計測していたことも明らかにした。

 一方、国交省は26日、三菱自が提出した社内調査の報告書について、内容が不十分と判断。全車種の改ざんの有無などを調査し5月11日までに報告書を再提出するよう指示した。

 特別調査委の委員長には元東京高検検事長の渡辺恵一弁護士が就任。3カ月をめどに関係者の聞き取り調査などを行う。

 相川氏は技術畑を歩み、01年発売の初代eKワゴンの開発責任者などを務めた。【宮島寛、田口雅士】

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