現存する世界最古の都市の一つとされるシリアの首都ダマスカス。朝日新聞記者が16~18日に滞在し、街を歩いた。2月末に発効した停戦は北部アレッポなどで戦闘が再開したものの、首都周辺では順守されていた。穏やかな暮らしが戻ってくる一方で、避難生活を続ける人々の姿もあった。
色とりどりの香辛料、オリーブや月桂樹(げっけいじゅ)のオイルを煮立てたせっけん、様々な模様の女性用スカーフ――。多くの専門店が軒を並べる旧市街の市場は、買い物客でにぎわっていた。老舗のシリア料理レストランの店主は「客足が戻ったのは久しぶり」。
旧市街は停戦前の戦闘の前線からわずか数キロ。迫撃砲弾の着弾が相次ぎ、多くの人々が犠牲になった。世界遺産のウマイヤモスクも砲弾が外壁を直撃し、モザイク画が損傷した。だが、停戦後は砲弾の飛来はぴたりとやんでいた。
欧米の経済制裁などで通貨のシリアポンドは下落が続き、食料品やガソリンなどの必需品は値上がりする一方だ。それでも、人々には笑顔が見えた。
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朝日新聞国際報道部
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