世銀 ことしの原油価格の予測 41ドルに引き上げ

世界銀行はことしの原油価格の最新の予測を公表し、世界的な供給過剰の懸念がいくぶん和らぎ、市場の不安定な動きが収まってきたことから、ことし1月に1バレル=37ドルとした予測を41ドルと小幅ながら引き上げました。
世界銀行は26日、3か月ごとに公表している原油など資源価格の最新の予測を公表し、ことし1月に1バレル=37ドルと予測したことしの原油の平均価格を41ドルに、来年については50ドルにそれぞれ引き上げました。
原油価格は、ことし2月に、ニューヨーク原油市場で先物価格が1バレル=26ドル前半まで値下がりし、世界的な株価の急落など金融市場に不安定な動きをもたらしました。しかし、その後、アメリカのシェールオイルの生産が減少したことなどを背景に供給過剰の懸念がいくぶん和らぎ、市場の不安定な動きも収まってきたことをふまえ、今回予測を小幅ながら上方修正しました。
ただ世界銀行は、主な産油国の原油の増産凍結を巡る協議が不調に終わることなどで、原油安が再び加速するおそれを先行きのリスクにあげています。また、急激な価格の下落で油田などの資源開発を急ピッチで進めてきた新興国で開発計画がとん挫したり、借入金の返済ができなくなったりする事態に懸念を示し、価格の持ち直しがはっきりするまでは慎重に対応するよう求めました。