製薬会社「日本ビーシージー製造」(東京・文京)が国への届け出とは異なる製法で結核予防の「BCGワクチン」を製造していたとして、厚生労働省は26日、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反で同社に業務改善命令を出した。同省は「健康被害はなく、製品の安全性にも問題はない」としている。
同社は清瀬工場(東京都清瀬市)でBCG菌を培養する際、使用する水の変更に伴ってミネラル類の添加が必要になったが、製法の変更を届け出ることなく約30年間にわたって製造を続けてきた。国に届け出をしていない部屋でBCG菌の培養をしていたほか、BCGワクチンの検査も一部を実施していなかった。
昨年12月の社内点検で違反が見つかり、厚労省に報告した。同省は立ち入り検査をした結果、隠蔽工作など悪質な問題はなかったとしている。
厚労省は、経営陣の責任の明確化や再発防止策を1カ月以内に提出することを求めた。同社は「全社を挙げて抜本的な改革を行う」としている。