政府は26日、特定秘密保護法の運用状況に関する報告書を閣議決定し、国会に提出した。2015年末時点で特定秘密が記録された行政文書数は16機関27万2020件で、衛星情報を中心に14年分より8万件超増えた。特定秘密を扱えるかどうか公務員らを身辺審査する「適性評価」は9万6714人に実施。拒否した対象者が38人いたが、理由の記載はなかった。
保有が最も多いのは外務省で7万6816件。内閣官房は7万6254件、防衛省が7万2325件と続く。国家安全保障会議での議論の結論や警察の情報源となった人の情報、在日米軍が使用する周波数に関する情報などが指定された。
適性評価に同意しなかった人の内訳は、内閣官房7人、外務省1人、防衛省28人。評価の途中で同意を取り下げた職員が防衛省と防衛装備庁に1人ずついた。プライバシーの侵害を懸念した結果とみられる。
秘密指定を解除した例はなかった。同法の運用基準に反して特定秘密が取り扱われているとの内部通報もゼロだった。