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FijiのデュアルGPUカード「Radeon Pro Duo」が国内登場

〜SP数8,192基/HBM 8GBを搭載

Radeon Pro Duo

 AMDは26日、HBMメモリをオンダイしたハイエンドGPU「Fiji」をデュアル実装するビデオカード「Radeon Pro Duo」を国内でリリースした。

 日本ではカードの単体売りはされず、ショップブランドPCなどに組み込まれたシステムとセットでの販売となる。Radeon Pro Duo搭載PCに関しては、別記事で紹介しているツクモが取り扱いを発表している。

 Stream Processor数は8,192基で、GPUクロックが1,000MHz、メモリはHBMでバス幅は4,096bit×2。メモリクロックは500MHz(転送レート1Gbps)、容量は8GB(4GB×2)となり、Stream Processorの数から実質R9 Fury Xがベースと読み取ることができ、これを2基搭載した格好。処理能力は16TFLOPSに達する。

2基のGPUが確認できる内部写真。リファレンスカードは、映像出力にDisplayPort×3とHDMIを採用している
【表】Radeon Pro Duoのスペック
GPU名 Radeon Pro Duo R9 Fury X GeForce GTX TITAN X
GPUクロック(最大) 1,000MHz 1,050MHz 1,000MHz
Stream Processor 8,192基 4,096基 3,072基
テクスチャユニット 512基 256基 192基
ROP 128基 64基 96基
メモリ容量 8GB(HBM) 4GB(HBM) 12GB(GDDR5)
メモリクロック(データレート) 500MHz(1GHz相当) 500MHz(1GHz相当) 7GHz
メモリインターフェイス 4,096bit×2 4,096bit 384bit
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
Typical Board Power 350W 275W 250W(TDP)
PCI Express補助電源 8ピン×3 8ピン×2 8ピン+6ピン

 PCI Express補助電源は8ピンが3個と多く、TBP(Typical Board Power)は350Wと高い。クーラーはRadeon R9 Fury Xと同じく、簡易水冷クーラーを採用。各GPUにウォーターブロックを配置し、120mm角ファンが1基搭載されたラジエータへと接続される。製品の内部写真ではCooler Masterのロゴが描かれているため、Cooler Master製の簡易水冷クーラーが使われている模様。ファンはNidec製のようだ。

簡易水冷クーラーを採用

 本製品はAMDのVR(仮想現実)用ソフトウェア開発キット「LiquidVR」対応のGPUという面もあり、VR開発者の利用を想定している。ヘッドマウントディスプレイにのみVR出力を行ない、PC側ディスプレイはデスクトップ状態のままに保てる「Direct-to-Display」、描画遅延やカクツキを最小限に抑える「Asynchronous Shaders」、左目と右目のそれぞれにGPUを割り当てて描画する「Affinity Multi-GPU」、ヘッドトラッキングを最適化する「Latest Data Latch」などがサポートされている。また、レンダリング用プラグインの「FireRender」にも対応する。

VRのソフトウェア開発キット「LiquidVR」の機能群をサポート

 資料によれば性能面では、GeForce GTX Titan Xよりも1.5倍速く、デュアルGPUのRadeon R9 X2よりも1.3倍高速と謳う。

各ゲームにおける4K表示の性能比較

(中村 真司)