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 清涼飲料大手のコカ・コーライーストジャパン(東京都)と、コカ・コーラウエスト(福岡市)は26日、経営統合で合意したと発表した。国内の飲料市場に伸びが見込みにくい中、生産の効率化を進めることが目的。時期や統合の方法は未定としている。

 両社とも東証1部上場。2015年12月期の売上高を合わせると約1兆円で、国内で販売されるコカ・コーラ製品の8割以上を製造する規模になる。

 26日に福岡市で記者会見したウエスト社の岡本繁樹常務執行役員は「人口は減るのに競合メーカーは減らない。規模を拡大して効率化を図りたい」と話した。両社の拠点は生産する飲料の重複が多く、統廃合も検討するが、人員削減については「今は何も考えていない」(同社)としている。

 両社は26日に開いたそれぞれの取締役会で、経営統合の協議を進めることを決め、合意書を交わした。具体的な方法や時期、新社名などの詳細は今後詰める。

 国内で販売される「コカ・コーラ」ブランドの飲料は、米本社が製品の開発などを担い、完全子会社の日本コカ・コーラ(東京)が原液をつくる。その原液をイースト、ウエスト両社のような「ボトラー」と呼ばれる会社が買って飲料製品に仕上げ、売っている。

 イースト社は関東、東海、南東北、ウエスト社は近畿、中国・四国、九州を担当する。ボトラーはほかにも北海道、岩手県、富山県、沖縄県に4社ある。

 コカ・コーラ製品はかつて瓶での販売が主流で、ボトラーは使用済みの瓶を回収する必要があり、地域に根ざした規模の小さいボトラーが全国各地にあった。ところが缶やペットボトルでの販売が主流になったことや他の飲料メーカーとの競争が激しくなった影響で統合を進め、1999年に全国に17社あったボトラーはいま6社になっている。(村上晃一)