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水前寺公園 干上がる池

池の水が枯れ底があらわになった水前寺成趣園の池=熊本市中央区で2016年4月26日、須賀川理撮影

 熊本地震の本震が起きた16日から、熊本市中央区の観光地、水前寺成趣園(じょうじゅえん=水前寺公園)の池の水が干上がり、底を7〜8割ほど露出させている。本震後はポンプで地下水をくみ上げても雨が降っても、従来の2〜3割の水しかたまらず、同園は「原因不明」と頭を悩ませている。

 園を管理する出水(いずみ)神社の権祢宜(ごんねぎ)、鯵坂(あじさか)徳孝さん(27)は本震から約1時間半後の午前3時に様子を見るため園に着いたが、いつもは水面に反射する月明かりが見えなかったことを不審に思った。夜が明けた同5時半ごろに約1万平方メートルの池の水がほとんどないのを発見。鯵坂さんは「まさか水が引いていたとは」と戸惑いを隠さない。100〜120匹のコイは池の水が残る部分に移動させた。

 水前寺成趣園は1671年、肥後細川藩主の細川綱利(つなとし)が完成させた桃山様式の回遊式庭園。2008年には「水前寺江津湖湧水群」の一つとして環境省に平成の名水百選に選定された。市観光政策課によると、昨年の観光客数は37万9650人と市内では熊本城と並ぶ名勝地だが、休園中の園の再開のめどはたたない。成趣園参道で土産店を営む奥山千恵子さん(70)は「観光客は大型連休が一番多いのに」と困惑していた。

 熊本県の地下水を研究する東海大熊本教養教育センターの市川勉教授(地下水学)によると、周辺地域の地下水は浅い層と深い層の間に水を通しにくい「布田(ふた)層」があり、成趣園の池には浅い層から地下水が湧いている。市川教授は「あくまで想定だが、布田層が破損して地下水が下に流れている可能性がある」と話した。【出口絢】

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