巷ではノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智(さとし)北里大特別栄誉教授(80)の話題でいっぱいですね。記者会見で「微生物の力を借りているだけ」と繰り返し言っていた大村さんの謙虚ぶりに本当に心を打たれた。
そして、私にはどうしても大村教授にお礼を言いたいことがある。直接お会いできるわけもないのでこの小さなブログで大声で叫ばせてください。
大村教授の功績をわかりやすく説明すると
大村教授が1979年に発見した「エバーメクチン」は、中南米やアフリカ、東南アジアなど熱帯域に住む多くの人々を、寄生虫病から救う特効薬へとつながった。救った人々の数は10億人以上とも言われている。
静岡県内の土の中から分離された微生物。その小さな小さな生き物が作り出すエバーメクチンと呼ばれる化学物質を発見したのだ。このエバーメクチンを基に製薬会社と協力しながら「イベルメクチン」と呼ばれる薬を開発した。
このイベルメクチンは線虫(動物の体内に寄生する寄生虫の一種)の神経系を麻痺させる一方で、哺乳類の神経系には何の影響もないことがわかった。そのおかげで人間の体に投与しても人間に副作用を及ぼすことなく、悪さをする寄生虫を退治する抗寄生虫薬となった。
イベルメクチンは、フィラリア症(別名:象皮病、西郷隆盛は象皮病でキン〇マが人の頭ほどの大きさになり馬に乗れなかった)やオンコセルカ症などと呼ばれる熱帯地域にまん延する寄生虫による病気に絶大な効果をもたらした。
今後も50数か国でイベルメクチンの集団投与が進められる予定で、20年までに象皮病は制圧されるそうです。
さらに大村教授はイベルメクチンの無償提供の快諾及び特許権の放棄をして、無料でイベルメクチンを配布しているそうです。
もう言葉がありません…。
私がお礼を言いたい理由
10億人以上の人々を救ってきたイベルメクチンですが、実は多くの動物たちの命も救ってきたのだ。
水族館で活躍するアシカやセイウチをはじめ、動物園の人気者であるライオンやチンパンジー。家畜動物の牛や豚に、家でペットとして飼育されるイヌやネコにフェレットにウサギ。本当に多くの動物がこのイベルメクチンによって寄生虫症から守られてきた。その数は人間の10億人では比べものにならないぐらいだろう。地球上に暮らす哺乳類と呼ばれる多くの動物たちが大村教授の功績によって救われてきた。
私はそれらすべての動物たちやそれと関わる飼育係や飼い主を代表して…とは言えませんが、救われてきた動物たちとともに厚く御礼を申し上げさせてください。
「大村教授、本当にありがとうございました」
シロクマ
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セイウチ
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アシカ
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キリン
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イヌ
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ニホンザル
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ブタ
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ゴリラ
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オオカミ
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コアラ
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