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木曽路「日本遺産」に認定 木曽6町村と塩尻、県内初

妻籠宿近くの旧中山道を歩く外国人ら。木曽谷全体の山林文化が日本遺産となった=南木曽町妻籠宿近くの旧中山道を歩く外国人ら。木曽谷全体の山林文化が日本遺産となった=南木曽町
 文化庁の「日本遺産」に25日、木曽郡6町村と塩尻市の「木曽路はすべて山の中〜山を守り山に生きる〜」が認定された。木曽谷の山林の文化や暮らしの全体が「日本の文化・伝統を語るストーリー」と評価された。昨年の第1弾には同郡南木曽町が「妻籠宿と中山道」を申請したが選ばれず、地域を広げ、内容を充実して認定につながった。

 第1弾で認められなかった後、南木曽町教委などは文化庁に改善点を尋ね、「もっと広い範囲で考えた方がいい」と助言を受けたという。県教委や県木曽地方事務所も協力し、内容を詰めてきた。森林文化の多様さや御嶽登拝などを盛り込んだ。

 「うれしい。地域の森林や景観、集落が宝だと自信を持ってPRできる」。南木曽町の住民組織「妻籠を愛する会」常務理事の藤原義則さん(68)は今回の認定を受け止める。

 同町は2006年、妻籠宿を含む重要伝統的建造物群保存地区と中山道などを世界遺産の国内暫定リストへ記載しようと応募したが継続審査に。07年に馬籠宿がある岐阜県中津川市とも連携したがかなわなかった。藤原さんは「明るい話題ができた」と話す。

 同郡上松町の田上正男町長も「木曽谷が森林文化でつながっていることをアピールしていきたい」。木曽町観光協会事務局長の須藤邦男さん(60)は「地域に誇りが取り戻せる。これを機に、観光や歴史の面から木曽谷が一つになれるといい」と話した。

(4月26日)

長野県のニュース(4月26日)