パンガシナン=佐々木学
2016年4月26日07時50分
フィリピン大統領選(5月9日投票)の候補で、米不動産王トランプ氏張りの過激発言で人気の南部ダバオの市長、ロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が、南シナ海問題について「自ら水上バイクで中国が支配する島の近くに行き、(フィリピンの)旗を立てる」と述べ、中国を挑発した。24日夜、北部パンガシナンで行われた全候補者5人による公開討論会で語った。
ドゥテルテ氏は元検察官。警察の取り締まり権限を強めて犯罪を減らした市長として知られ、米人気刑事映画のヒーローになぞらえた「ダバオのダーティーハリー」の異名を持つ。民間調査機関パルスアジアの最新の世論調査で34%の支持を集め、トップを走る。
討論会で南シナ海問題について、「(中国を相手に係争中の仲裁裁判で)主張の正当性を確立する」と法的解決を図る考えを示したうえで、中国が仲裁を受け入れない場合は「私が島に行く。英雄になる覚悟がある。私が犠牲になる」などと述べ、会場から喝采を浴びた。
パルスアジアの最新世論調査で2位(22%)の女性上院議員グレース・ポー氏(47)も「南シナ海は中国の私有物ではない。沿岸警備隊の船を増強する」などと述べた。(パンガシナン=佐々木学)
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朝日新聞国際報道部
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