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サウジ、国営石油のアラムコ上場へ 原油安で経済改革

2016/4/25 22:53 (2016/4/26 2:00更新)
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 【ドバイ=久門武史】サウジアラビアのムハンマド副皇太子は25日、世界最大の石油会社である国営サウジアラムコの株式を同国内で上場すると明らかにした。上場後の時価総額は世界首位の米アップルを大きく上回る2兆ドル(約220兆円)超を見込む。上場で得た資金などで成長分野に投資し、原油への依存度を下げつつ財政収支を改善する狙いだ。

 アラムコの新規株式公開(IPO)は、サウジ政府が25日に決定した包括的な経済改革構想「ビジョン2030」の一環。アラムコが管理する原油などの可採埋蔵量は、民間で最大の米エクソンモービルの10倍以上になる。アラムコの関連会社のIPOも目指す。

 サウジ資本の衛星テレビ局アルアラビーヤのインタビューで、副皇太子はアラムコ株の「5%未満」を売り出すと明言。「我々は原油依存症に陥っている。危険なことだ」とも話し、外国からの投資を歓迎する意向を示した。

 上場はリヤドにあるサウジの証券取引所で行う方針だが、時期は明示しなかった。サウジは2015年、株式市場を海外投資家に開放し、一定の基準を満たす外国の金融機関に直接取引を認めている。

 副皇太子はアラムコ株を含む政府保有資産を設立済みの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)に持たせる考えを表明した。2兆ドル超の政府系ファンドが実現すれば世界最大規模になる。原油安の中、PIFは新たな収益につながる投資先を探る。

 ムハンマド副皇太子はサルマン国王の息子でサウジの王位継承順位第2位。同国国防相を務めるほか、経済政策を統括し、改革を主導している。アラムコ上場を含む今回の改革もムハンマド副皇太子の肝煎りとされる。

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