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日立が名古屋市を提訴 陽子線施設の整備費増で

 名古屋市が陽子線がん治療施設(北区)の整備事業を一時凍結したため新たな費用が生じたとして、施工業者の日立製作所が増加分の費用を請求している問題で、日立が22日、市に支払いを求める訴状を名古屋地裁に提出したことが分かった。

 日立が当初請求していた増加費用は4億8600万円。これまでの裁判外紛争解決手続き(ADR)で約1億5千万円まで抑えた和解案が示されたが、河村たかし市長が応じず、今年3月末に決裂した。今回の訴訟の請求額について、日立側は取材に「訴訟の内容は明らかにできない」としている。

 日立は、凍結により人件費や器材保管料など工期延長に伴う費用が生じたと主張。名古屋市に対し、これら増加分の費用を裁判で求めていくとみられる。

 陽子線治療施設は、松原武久前市長が整備を決定。総事業費245億円で、日立が2008年に施工を請け負った。しかし、河村市長が09年に当選後、高額な治療費の妥当性や、採算見通しを疑問視。専門家による公開討論などを開くため3カ月半凍結した後、事業継続を決めた。市は当初の契約額内で対処するよう求めたが、決着しないまま、施設は13年春から稼働した。

 市と日立は14年4月、法廷外で迅速に問題解決を図るADRを開始。中立の立場の弁護士の仲介で2年近く協議を続け、請求額の減額を含む和解案が示されたが、市長は「市民の理解を得られない」と難色を示して決裂。これにより、日立が訴訟に踏み切った。

(中日新聞)

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