阪急電鉄は25日、神戸三宮駅の駅ビル「神戸阪急ビル東館」(神戸市中央区)の建て替え計画を発表した。阪神・淡路大震災で倒壊した旧ビルの外観を低層部で再現。神戸の玄関口に、震災復興を象徴する新たなランドマークが誕生する。
新ビルは高さ約120メートルで地上29階、地下3階建て。今年夏に着工し、2021年の完成を目指す。高層部にホテル、中層部にオフィス、低層部に商業施設が入る。最上階は展望フロアとなる。
震災後に仮設として建てられた現ビルの前身は1936(昭和11)年に完成。震災時には阪急百貨店や映画館などが入っていた。
新ビルは6階までの低層部で、外壁に茶系色のれんが調タイルを用い、大きなアーチ状の窓を設けるほか、北東角を円筒状の構造にするなど、旧ビルの特徴を受け継ぐ。
新ビルの建設地は景観法に基づき、東西方向の建物幅に一定の規定があるが、同社の計画幅は規定を超えており、神戸市の都市景観審議会が対応を協議。同審議会は昨年末、旧ビルの外観再現などを評価し、規定を適用しない方針を固めていた。
阪急阪神ホールディングスの角和夫社長は「震災前と同様、市民に長く親しまれるビルになればうれしい」としている。(長尾亮太、黒田耕司)
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