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2015年1月5日(月)


2014年を振り返る…

昨年の大きな出来事は、下半期6カ月間に集中しました。

中でも11月に行った現場に提示する為のドラマ収録ボイス・サンプル収録は、この団体だからこそ出来た事だったと思います。

どこに… 誰に…、業界のシステムを知っていれば、それが画期的な事だったと気付くはずです。


■ドラマ収録

現場や制作者の中には、「ボイス・サンプルよりドラマや芝居の方が判断しやすい」という人もいます。ボイス・サンプルには少ない《掛合い》《読解表現力》が見られるからです。

しかし殆どが一人のボイス・サンプルでは、それは難しいものです。

仮に演者が多く居たとしても今度は台本が必要、それも複数が出演できないといけません。また台本だけが有っても演者が必要、そしてどれにも収録・編集まであります。

ここには放送できるラジオドラマの制作力と、その高品位レベルでボイス・サンプルが作れる能力があります。


■ボイス・サンプル…

通常これは、《誰かに渡す為》、ホームページ等で《誰かが聴く為》という《未知の可能性》の為に作る物です。

しかし今回は、渡す先が有っての事でした。

今回が最後か、次回もあるのか、今は定かではありませんが、こういう事は突然起こります。

その時の為に「いつでも万全な状態に自分を持って行けるか」、それがオファーを待つ役者なら常に求められる事です。


■「どこに… 誰に…」

詳細は、いつも一般公表しません。

その為ですね、巷では団体や私を「怪しい」という人が居る様です。

確かに活動内容の神髄を公表しないのですから、そう思われても仕方はありませんね。

でもその大半は、蔓延するネット情報だけで得た感想でしょうか。

だとしたら、是非自分の目で直接「収録」や「講習」を見て、自分自身の答えを得て欲しいと思います。見学したからって、勧誘などしません。

ここは、覚悟を決めた者だけが居られる場所だからです。


■東映・タバック収録

12月には東映・タバックで『零厳城 #10』を収録しました。

「プロの録音スタジオを使って声優体験をさせている」

そう思う人が居るかも知れませんが、そんな次元で行なったのではありません。

第一、その程度の演者レベルで貸し出すスタジオでもありません。

私が過去に使ったプロの現場で、今の団体参加者の声を録ったら作品はどうなるのか?

〔発音/声圧〕という声、

〔演技/演出〕という音、

その完成度の実証が大半の理由を占めます。

それは、この番組と番組声優団体が作品を制作する現場だからです。


■もう一つの理由

現在のTVアニメーションの制作水準を見た時、絵はCG導入で画力の低下は抑えられる様になりました。

但し、それゆえの演出力は求められる様になっていますが…

作品企画自体も原作付ではないTVアニメ用のオリジナル作品が増え、台本の心配もありません。

音響についても音質が向上し、ハード(機材/スタジオ)も整っています。

この、いずれも向上している中で私が思った事が、声の品質だけが低下しているのではないか?と言う事でした。


代表的なのが「さ行」の発音、歯間に空気を通した擬音可です。

もうこれは腹式圧発声ではなく、胸式圧発声と言う事です。

逆に胸式圧発声で演じて良い場合もありますが、全てそれだけと言うのが問題なのです。

画/本/音、全ての力が結集されてあるべき作品が、若手の声の品質だけいずれ欲しい水準に届かなくなるのではないか、そう思ったのです。


「声の品質向上を促す事は出来ないか?」

その底上げをしたいと行なっているのが番組声優団体の収録です。

番組声優団体の参加者には、制作サイドが求める技量をずっと要求し続け、出来なければ技法を教えてきました。

「プロの現場で、今の団体参加者の声を録ったらどうなるのか?」

それを確かめる為の収録でもありました。


発音については、一切問題ありませんでした。

表現については、十分な結果はまだ出ていません。

結果以前に、個々の実力を出し切れなかったという所です。

2014/12/21 タバック収録総評


■番組声優団体の参加者

なぜ今日まで活動してきて、プロの現場に出て行った者がいないのか。

誰もが疑問に思う事でしょう。

以前TVアニメの現場に立った者や、事務所所属として業務を行っている者は居るのですが…

音響現場でも《誰かいないのか》と言われましたが、その実力に届くにはもう少しという所です。


番組ブログをご覧の皆さんへ (2014/12改)

・声優になれるの?という現実


上記でも触れましたが、すぐに居なくなる役者では困ります。

年齢に関係なく長くやって行く方法、団体の参加者に求めるのは「技術」「実力」「存在感」です。

目指す目標が若手プロのレベル程度では相手にもしてくれません。

プロの世界には、現状で幾らでも人材が居るからです。

そんなプロの領域に割って入る手段、それは個性を伸ばし、誰にも負けない力を持つ事。

それが結局の近道なんです。

放送をする以上、私は同じ事を望みます。


■「技術」「実力」「存在感」

それを確実に身に付けるには「自分を知ってるか?」と言う事です。

自分自身で「得意な事/苦手な事」が解らなければ、成長や修正は不可能です。

「自分で解らなかったら、どうすればいいの?」

解らないなら、聞いて教えて貰えば済む事です。

解っているつもりでも気付かない部分が有ったりしますが、実はこれが多数を占めます。


番組の補強講習後に有志のお茶の時間がありますが、本来はそう言う場所なのです。

普段そのままの自分を見せて貰えれば、得意な演技の方向性は判断出来ます。

そして現状最適な役処も判断でき、合せた役を作る事も可能です。

まずはその方向性を完成させる、それが手堅い道筋です。


自分で解らない状態でお茶に来る事がない、聞く事もしない…

それでは作品講習だけで判断する事になり、時間も長くかかります。

人によっては月1回なので、道筋を判断する事は非常に困難です。

「何回お茶に行けばいいの?」

それは、個人によって違います。

すぐ解る人もいれば、喋らない人は時間がかかります。

表現の向上を妨げている理由があるとすれば、それは自分から行動しないから、今の自分に疑問を持たないからだと思います。


■反省点①

一昨年『CDドラマ・リリース・プロジェクト』という企画を立てましたが、実現できませんでした。

今思えば、正しい順序を踏んでいなかったと思います。

「リリース」と言う以上、売れる要素を商品に込める事は必要です。

当時は「売れなくてもいい」と言いましたが、何もしないで売れないのは違うと思いました。

本も役者も宣伝も、やれるだけの事をして売れなかったのなら仕方がない、そうあるべきです。

本/役者/宣伝、いずれかに売れる要素を込めて、必ず実現させます。

今しばらくお待ちください。


■反省点②

そしてもう一つ、「プロを呼ぶ番組」

これも実現していません。

しかしこれは、2015年の目標にしたいと考えています。


最近、冷静に第三者目線で思う事があったのです。

「この番組と番組声優団体ってなんだろうか」

今まで「制作の現場」と言ってきた点を否定するのではありません。

それよりもっとシンプルな、「売る人・買う人」の様な答えが欲しかったのです。


当然ユーザーではありません。

制作はしていますが、販売はしていません。

クリエイター … それにしては個人作業ではありません。

そこで思った事が「クライアント」というポジション、「仕事を出す人」でした。

そこに立って、団体参加者の立場を向上させて、ココにいる事やっている事に誇りをもって貰いたいと言うのが願いです。

まさに「プロを呼ぶ番組」そのものです。


今年も様々な事を考えて、一つでも行って行きたいと考えています。

僅かでも前に進める様に、少しでも業界に貢献できるようになりたいと考えています。


クーズ・エンタープライズ代表/番組プロデュース  仲河美希

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