南阿蘇で1遺体、死者49人 関連死は計13人
「エコノミークラス症候群の診断患者が35人に」
熊本地震で2人が安否不明となっている熊本県南阿蘇村で25日、1人が遺体で見つかった。一連の地震で県警が検視した死者は49人となった。県は同日、関連死とみられる人を熊本県宇土(うと)市の1人を加え計13人とした。また、県は14日の地震発生後、車中泊などにより主要医療機関でエコノミークラス症候群と診断された患者が35人(24日午後4時現在)に上ることを明らかにした。
遺体で見つかったのは南阿蘇村河陽(かわよう)の高野台団地の土砂災害現場で安否不明となっていた福岡県久留米市の早川海南男(かなお)さん(71)。
一方、新たな関連死とみられる死亡者は認知症高齢者向け施設で発生。宇土市の1人は坂口新吾さん(89)で、市内の施設に入居していた。地震後、職員が見守れるように3階の個室から1階廊下に移り布団などを敷いて寝ていた。18日朝に死亡しているのを職員が発見。死因は内因性心臓死だったが、心臓に関する持病はなかったという。
また、熊本市は東区の老人福祉施設にいた女性(96)が関連死の可能性があるとして26日にも県に報告する。市によると、地震後に2階から1階に移され24日午前2時ごろ、心肺停止状態で見つかった。入所者か避難者かは不明という。【野呂賢治、畠山哲郎、竹田迅岐】