広島訪問「質問は待って」 否定せず
【ロンドン矢野純一】オバマ米大統領は22日、訪問先の英国で行ったキャメロン首相との共同記者会見で、5月下旬に日本で開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)にあわせて被爆地・広島を訪れる可能性について「アジアを訪問するまで、アジアに関する質問は待ってほしい」と答えるにとどまった。
オバマ氏の広島訪問を巡っては、米政府高官は近く最終決断するとしている。
「核兵器なき世界」を提唱したオバマ氏は停滞する核軍縮の機運を再び高めるとともに、任期の最後に人々の記憶に残る「レガシー(政治的な遺産)」を築く狙いがあり、広島訪問に前向きとみられている。
1945年に米国が原爆を投下してから71年にあたる。実現すれば、現職の米大統領の被爆地訪問は初となる。伊勢志摩サミットは5月26、27日に三重県で開かれる。オバマ大統領はサミット終了後に広島に立ち寄る見通しで、大統領就任直後の2009年、チェコのプラハで「核兵器なき世界」を提唱したプラハ演説のようなスピーチを世界に向けて行う構想もある。