4月のコラム集
つむじ風4月25日

 熊本を中心とした相次ぐ地震では、耐震化の完了した学校施設も被災、熊本市内の公立小中のうち20を超える屋内運動場で、耐震化が完了していたものの被害が起きた。施設に避難していた住民らを別の場所に移動させる措置も取られている▼本県内の学校施設の耐震化を見ると、進んできている印象もあるが、文部科学省での15年度調査結果で岩手は全国平均を下回る。耐震化率が全国平均未満かつ耐震性のない建物を10棟以上保有する市町村もある状況となっている▼早期に耐震化率を100%にすることが目標となるが、熊本での事例を鑑みると、すでに耐震化を完了した施設も含めたさらなる耐震化の必要性も考えなければならない可能性もある。子どもたちの学び舎で災害時の避難場所ともなる施設は、万全な状態にする必要がある▼公共施設の維持管理へ、総合管理計画の作成が進んできているが、事業費がかかるものの既存施設の延命化措置ではなく、改築に踏み切った方がより良い施設もあるだろう。安全面を最優先にした措置を講じることが望まれる。

つむじ風4月22日

 県建設業協会は今年度から、担い手の育成・確保、県内建設業の構造改善などに向けた取り組み強化を図る方針。復興事業のピークと同時に復興需要の終了が見え始めてきた現在、県内建設企業の持続的な経営を実現するための方策を検討していく構えだ▼県当局が「いわて建設業振興中期プラン」の中で、「復旧・復興後の建設投資額は、大震災の発生前の水準程度までに減少」と記述しているように、本県の建設業を考える際には、公共事業予算の大幅削減を大前提に置かざるを得ない。一方では担い手三法にもあるように、建設企業の適正利潤の確保と人材の確保と育成は、今や社会的要請の一つとなっている▼量(事業費)が減っていく中、質(利益・人材)を確保するためには、個別企業の生産性向上が不可欠。民間企業である以上、企業努力に依る部分が大きいのは事実だが、地方建設企業が担う公共性を鑑みた場合、行政機関の一定の関与も必要だろう。それがIT化の推進なのか、資格者数の絞り込みなのか、いずれにせよ官民連携による検討が求められる。

つむじ風4月21日

 最近は、一日一日と日が長くなっているのが分かる。県内でも例年より早く桜が満開。残念ながら、とてもゴールデンウイークまでは持ちそうもない▼ところで、昨年の県内における交通事故の発生状況を見ると、発生件数は2560件で前年に比べ152件の減。傷者数も3220人と204人減少しているにもかかわらず、死者数は80人で前年より16人増えている▼このうち安全運転管理者選任事業所の職員による事故件数は、53人減の452人。傷者数も552人と72人減っているものの、死者数は16人と9人増加している。内訳は、業務中・出勤退社中が4人増の8人、私用が5人増の8人となっている。最近は日が長くなり、交通事故が多い薄暮と帰宅時間が重なる▼現場でも日中には気温が上がり、これまでの厳寒期と比べ作業を行いやすい環境になっている。吉田兼好の徒然草「高名の木登り」のように、気が抜けやすい環境にある時こそ注意が必要だ。特に4月は、新しい顔が現場に加わったばかり。新人の良き模範となるよう、安全作業に努めたい。

つむじ風4月20日

 数カ月前、引越し先を知らせる手紙が机の上に置かれていた。何気なく住所を見て、遠くて珍しい地名だなと、その時は思っただけだった。14日夜、携帯電話に熊本県で地震発生を知らせるメールが届いた▼引越し先は熊本県だったと思い、住所を確認すると同県益城町とあった。すぐに安否確認のメールを送るも連絡が取れず、返信があったのは翌日の夜。無事とのことだったが、頻発する地震に強い恐怖を感じているという▼九州地方整備局のホームページではテックフォースの活動状況が報告されている。国土地理院のホームページでは、空中写真での被災前後の比較やUAV(無人航空機)で撮影した動画を閲覧可能。斜めや垂直からの写真も公開し、断層や斜面崩落などによる亀裂が確認できる▼盛岡市と熊本市は直線距離で約1200`。今すぐできることは限られている。現地では「支援の経験を」との声が寄せられているという。東日本大震災直後からの現地での活動、後方からの支援・活動…。建設企業、建設産業界として震災の経験を伝えたい。

つむじ風4月19日

 陸前高田市の新たな中心市街地に、大型商業施設として整備が予定される、(仮称)陸前高田ショッピングセンター。先週は建設企業を対象とした事前説明会が開かれ、工事の発注に向けた取り組みが具体的に動き出した▼センターは、三つの建物に計20事業者が入居を予定。このうち、半数以上が被災事業者となる。順調に推移すれば、施設は8月に着工し、来年3月にオープンする見通し。中心市街地初の商業施設として、同市復興の先導的な役割を果たすことになる▼センター内には市立図書館も併設。にぎわい醸成の一翼を担うほか、センター南側には、約430台分の市営駐車場の整備も計画されている。オープン後は、多くの買い物客が車で訪れると予想されるだけに、建物工事と並行した駐車場の整備、さらには巡回バスなどのルートの設定も重要になってくるだろう▼センター周辺には今後、(仮称)市民文化会館などの公共施設、個店の商業店舗も整備されていく。施設間の機能分担や連携を図りつつ、市の魅力を発信するエリアになればと思う。

つむじ風4月18日

 14日午後9時26分ごろに発生した熊本を中心とした地震では、最大震度7を観測。負傷者多数、死者も発生し、建物倒壊や道路をはじめとしたインフラにも大きな被害が生じている。揺れの大きい余震も幾度と発生、予断を許さない状況となっている▼映像などを通して情報をずっと注視していると、徐々に被害状況が明らかになっていくのが分かる。災害が発生した時、被災者にとって最も欲しいものの一つが情報とされており、最新の情報をいち早く正確に伝えることが重要になる▼被災した個所の応急復旧、がれき等の処理とともに、インフラを中心とした被災個所の情報伝達は、業界の担う役割となってきている。熊本での地震後のさまざまな活動にも、地元業界が昼夜を問わず活躍していると想像する▼震度7を観測した地震は、11年3月11日の地震以来。改めて、災害はいつ起きるか分からないと痛感した。業界団体では、情報伝達など災害時を想定した訓練を重ねているが、いつ起きても迅速に対応できるよう再度、体制等を確認しておくことが大切だろう。

つむじ風4月15日

 先日開かれた県議会県土整備常任委員会の席上、低入札の増加などへの対策について、県側からは「後追いにならないよう、先取りした取り組みを行っていく」との意向が示された。入札取り止めの高止まり傾向に落ち着きが見られ、今後は価格競争の激化が予想されることに対して、一定の危機感を示したということだろう▼現在講じられている特例制度の見直しや調査基準価格の改定など、短期的な対策もあるが、最終的には「地域社会から必要とされる優良な建設企業を、健全に存続させていく」という一点に尽きるのではないか。この基本軸が確固たるものであれば、建設業振興策や入札制度の方向性もぶれることはないと思われる▼一方の業界側が「懐具合が苦しいから何とかしてくれ」では少々心許ない。復興需要終了後の建設産業業界のあり方を、業界自らが先取りし、地域社会における立ち位置を明確にした上で、建設業界の将来像をデザインしていく必要がある。行政機関が講じる対策の後追いに甘んじるか否か、業界側の姿勢も問われることになる。

つむじ風4月14日

 先ごろ、自宅に地元自治体の防災マップが届いた。災害時の避難場所や防災関連施設のほか、過去に発生した洪水の浸水エリアなどが地図上に示されている。大雨により通行不可となったアンダーパスも色分けしてある。マップを眺めると、土石流や地すべりの危険区域などが点在していることが分かった▼11年3月11日に発生した東日本大震災。震災後の同年12月、本県の各被災自治体の首長らにインタビューする機会を得た。当時聞いた言葉が印象深い▼「リーフレットなどは届いた直後は見るが、1年後どこへ置いたか忘れてしまう。それが普通だろうと思う」。フォーラムなどを通じて危機意識を高める重要性を強調し、「津波防災意識の日常化を図らなければならない」と訴えていた▼三陸沿岸地域では、さまざまな復旧・復興工事が本格的に展開している。海に近い工事現場では、津波警報発令時の緊急避難ルートを貼り出すなど、日頃から防災意識を高めている現場もある。防災意識の日常化へ。改めて自身の意識を引き締めなければならないと実感した。

つむじ風4月13日

 今月1日付で東北農政局長に就任した松尾元氏は、東北の農業農村の現状として「担い手不足や高齢化が深刻化している」と話す。一方で、「若者を中心とした田園回帰といった新たな動きが広がりつつある」とも▼米の消費が年間8万d減少し、今後も減少傾向が見込まれる中、松尾局長は「所得を得る違う方法を考えなければ」と指摘。「若者が楽しく農業をやっていくためには、稲作からの脱却が求められている」と展開する▼経営転換を求めるが、言うは易し行うは難し。その点を問われると、「麦や大豆の大区画化でコスト削減できることをしっかり示すことが大切。ICTを駆使して、若者が取り組みやすいような環境整備を進めたい」と見据える▼建設産業界も、担い手不足や高齢化の波が押し寄せている。将来にわたり公共・民間とも一定以上の工事量が確保されれば、特効薬となりうるが、現実はそうはいかない。まずは、担い手となる若者、高齢化している働き手との対話や交流という地道な努力をなくして、解決策を導き出すことはできないだろう。

つむじ風4月12日

 ラグビーW杯2019の開催地として、準備を急ぐ釜石市。会場となるスタジアムは16年度内で着工し、常設部分は17年度の完成を予定。18年度のプレ大会に備える計画となっている▼開催に合わせ、今後は避難計画などの検討も本格化していく模様だ。開催場所は同市鵜住居町の津波で被災した小中学校の跡地周辺。現地の海岸部ではTP+14・5bの水門、防潮堤が18年度内に完成する予定。たとえ3・11クラスの津波が施設を越えたとしても、周辺の河川に吸収され、グラウンドは浸水しないシミュレーションになっているという▼ただ万が一の危機管理のため、市では今年度から具体的な避難の在り方について内容を詰めていく考え。避難計画を立てた上で、プレ大会等の開催につなげていきたいとしている▼施設内のスタンドは常設・仮設合わせ1万6000席。多くの外国人が訪れることも予想される中、いかにしてスムーズな避難を実現させるか。分かり易い避難ルートや標識、誘導員の連携、避難場所の確保など、十分な検討が必要だろう。

つむじ風4月11日

 化学メーカーの潟Nラレが毎年、独自で調査している新小学1年生の「将来就きたい職業」。16年は男の子が1位スポーツ選手、2位警察官、3位運転士・運転手、女の子は1位ケーキ屋・パン屋、2位芸能人・歌手・モデル、3位花屋となった。1位は男女ともに長年不動となっている▼建設業の関係では、男の子の9位に大工・職人、16位には建築家がランクインしている。ものづくりの楽しさ、格好良さなどを現代の子どもたちも感じていると想像できる▼県建設業協会青年部連絡協議会で催している建設業ふれあい事業をはじめ、各業者で地域貢献の一環として工事現場の見学会を催すなど、子どもたちが建設業に触れ、理解できる機会や場は増えた。子どもたちが、建設業に触れることで、その魅力をさらに大きくしてほしく思う▼調査では、新小学1年生の親が就かせたい職業でも、男の子で大工・職人が7位。子どもたちが就職する年齢時にも、親子ともども業界関係の仕事に就きたい・就かせたいと思わせるような環境を形成していかなければならない。

つむじ風4月8日

 県土整備部は、県営建設工事の17・18年度競争入札参加審査基準の見直し作業を進めている。現行基準からの大きな変更は無い見通しで、除排雪業務の範囲拡大や災害緊急時対応の範囲を明確にするなど、小幅な見直しにとどまっている。復旧・復興関連事業が当面高止まりする見通しであることから、現状を維持しながら今後の推移を見ていくものと思われる▼14年度の建設業地域懇談会の席上、17・18年度以降の地域貢献活動に対する加点取りやめが、県側から提案された。結果的には加点継続となったが、地域貢献に対する加点に対しては、その是非を問う声が業界内からも挙がっていたことから、県としては相当に大胆な提案をしてみたということか▼本来であれば、このようなショック療法的な問題提起は業界の側から行うべきだった。いずれ同様の議論が再び行われると思われるが、行政の投げたボールに慌てるようでは足元を見られる。地元建設業と地域社会との関わり方について、行政が何を期待しているのかなど、本音の部分の掘り下げも必要になるだろう。

つむじ風4月7日

 ドライバーの休憩場所のみならず、今や地域有数の観光地になっている「道の駅」。新鮮な地域の特産品も手に入るとあって、人気の「道の駅」は休日になると、駐車スペースも一杯になる▼近年では、学生の学びの場ともなっている。全国「道の駅」連絡会(会長・本田敏秋遠野市長)によると、15年度は長期休暇などを利用する就労体験型で22大学59人、通年の授業の中で商品開発などを行う連携企画型実習で38大学の学生が「道の駅」で学んだという▼それぞれの「道の駅」で学生たちは、農作業や商品の販売などを体験したほか、特産品を生かした商品開発などにも取り組んだ。受け入れる「道の駅」側でも、若者ならではの視点を知ることができるなど、双方にメリットがある▼今年度も同連絡会と国交省が双方のニーズをマッチングし、大学との交流を促進するという。今も昔も、就学のために故郷を離れる若者は多い。「道の駅」での体験をきっかけに、地域の良さを再認識してほしい。そして1人でも多くの学生に地域に戻ってきてもらいたいものだ。

つむじ風4月6日

 「2日休めば10連休」と言われるように今年は、ゴールデンウィーク(GW)に大型連休が控えている。NEXCO東日本東北支社は、GW期間(4月28日から5月8日)の東北地方の高速道路での交通集中による渋滞予測をまとめた▼ピークは、下り線が4月29日と5月3日、上り線が5月4・5日。本県関係では、下り線で4月29日午後2時をピークに一関トンネル付近で10`、5月3日午後1時に同トンネル付近で15`の渋滞を予測している▼同社では、「渋滞予報カレンダー」や「ドライブトラフィック(ドラとら)」というサービスを展開。最新の渋滞予測や発生状況を簡単に入手することができる。渋滞の発生が予測される場合は、日時をずらすなどの分散利用を図りたい▼年度末工期の工事が完了し安心する一方で、復旧・復興工事では複数年にわたり工事が進んでいる。休暇でも現場のことを考えると、休んだ気にならないかもしれない。建設産業界にとって「休暇」の重要性が増している昨今。積極的に休暇を取り頭も体もリフレッシュし、英気を養いたい。

つむじ風4月5日

 陸前高田市の高田松原周辺に整備される津波復興祈念公園では、先週、(仮称)国営追悼・祈念施設の基本設計がまとまった。施設は公園の中核として、園内で最も早い20年度の供用開始が計画されている▼基本設計では、園内に避難施設を設けない前提から、築山(当初の計画で国営施設内の避難施設に設定)の高さを低く変更。防潮堤第2線堤上に計画していた「祈りの場」も、より一般的な利用を想定し「海を望む場」に名称を変えている▼今後は引き続き、県整備エリアの基本設計などとともに、公園の管理・運営のあり方に関しても話し合いが進められていく。特に園内の植栽も含めた管理・運営の体制づくりでは、市民協働の取り組みをどのように巻き込んでいくかが課題になりそうだ▼公園の有識者委員会では、委員から市民協働について「役割りを絞って市民に力を発揮してもらい、そのことが結果として公園の魅力につながれば」といった意見も。長い年月を掛けて形にしていく公園だけに、地元力を生かせる役割りについて十分な検討が必要だろう。

つむじ風4月4日

 新年度となり、新入社員を迎えた企業も多いことだろう。どんな性格の持ち主かなどを判断しつつ、適正に育成していくことが課せされる。ちなみに、日本生産性本部で発表している新入社員のタイプ、16年度は「ドローン型」と命名している▼解説では、就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化といった強風にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、希望の内定を確保という目標地点に着地。技術革新(スキルアップ)で、さまざまな場面での貢献が期待できるとする。使用者(上司や先輩)の操縦ミスや使用法の誤りで、機体を傷つけたり、紛失(早期離職)の恐れもあると指摘している▼業界で、ドローン(UAV)が普及してきている。調査設計や建設工事、維持管理、災害対応などへの活用が期待され、普及へ競技会の開催なども計画される▼UAVの講習を受けたことがあるが、新入社員のタイプの解説にもあるよう、操縦は簡単でなく、法的規制が多いなどリスクも抱える。ただ、技術革新への取り組み、導入は企業にとって必ずプラスになる。

つむじ風4月1日

 きょうから2016年度。新しい戦力を迎えてスタートを切った企業も多いと思われる。採用した企業の側には若手社員のこれからの社会人生活を共にデザインしていく責任があり、社会人一年生の側には企業の成長を支え社会的責任を全うさせる責任がある▼特にも地方における建設業は、営利企業という側面と同時に、地域社会の安全・安心の守り手という側面があり、半ば公的な存在という性格を持っている。本県でも、復旧・復興工事への対応だけではなく、老朽化したインフラの維持更新や災害への備えなど、リスクマネジメントを担う産業としての役割が大きくなってくると思われる▼急激な公共事業費の減少への予兆を感じ取ってか、このところ予定価格を大きく下回る価格での落札も増えているような気がする。改正品確法により「適正な利潤の確保」が発注者責務として盛り込まれたが、業界側から見ると、具体的な施策への落とし込みは不十分と言わざるを得ないだろう。危機管理と産業政策という両面から、建設業界の今後を考えていく必要がある。

つむじ風3月31日

 岩泉町が東日本大震災の津波浸水エリア外に移転新築した小本小・中学校。同町小本地区の復興のシンボルとして、先ごろ竣工を迎えた。未来を担う子どもたちの新たな学校生活が4月からスタートする▼東日本大震災では、小本小・中とも津波で被災した。町は同町震災復興計画に基づき、浸水エリア外への学校移転を計画。14年6月に起工式、16年3月に竣工式が行われた。移転新築の総事業費は33億6900万円で、国からの復興交付金などを活用した▼新たな小本小・中の校舎は、一体施設となっている。新校舎は鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積4600・02平方b。1〜2階に小学校教室、3〜4階に中学校教室を配置した。4階には、津波の記憶を後世に引き継ぐための大震災記録室を整備。太陽光パネルや自家発電設備も備えている▼町では新たな学び舎の整備から、津波防災教育などソフト面に力を入れる段階に移っていく。貴重な大震災記録室を子どもたちの教育に活用し、改めて意識的な防災機能の強化を図っていきたい。

つむじ風3月30日

 「東北圏広域地方計画」と「東北ブロックにおける社会資本整備重点計画」が29日、それぞれ国土交通大臣決定された。地方計画では震災復興から自立的発展を掲げ、重点計画では東北の可能性を高めるため10の事業を推進する▼改めて東北圏を見ると、南北600`という広大な国土に加え、出羽・奥羽山地や北上・阿武隈高地という3列の山脈が存在する。縦方向の移動距離が長く、横方向の移動も容易ではない。約8割が豪雪地帯という厳しい条件下にも置かれている▼重点計画の策定にあたって東北地方整備局の川瀧弘之局長は、同計画を「社会資本整備に携わる全ての方々の指針」と位置付け。「東北の復興なくして、日本の再生なし」と力強く宣言し、地方創生の手本となることにも言及している▼東京オリンピック・パラリンピックを前に、2019年には釜石でラグビーワールドカップが開催予定。本県被災地の復興の進み具合に差が生じてきているが、一つひとつ課題を解決し、震災復興の姿と東北圏の魅力を全国のみならず世界に向け発信したい。

つむじ風3月29日

 先週は大船渡市赤崎町合足地区で、農地海岸堤防の堤体が竣工。完成式には多くの地元住民も訪れ、地域の安全・安心の向上を喜び合った▼合足地域には発災時、高さ17bを超える津波が襲い、堤防の一部が崩壊。背後地の生活基盤も甚大な被害を受けた。今回の復旧事業では、堤防高を震災前より5・1b高いTP+14・1bで整備。さらに堤防を越えた津波に対し崩壊しにくい構造とするため、流れを妨げないよう陸側法面の傾斜をなだらかにしたほか、陸側地中に鉄板の矢板を入れ、地盤の洗掘防護に対応している▼式後は関係者が堤防上まで上り、完成した施設を見学。14b上からの景色に「やっぱり高いな」といった感想が漏れていた一方で、「この高さでも今回の津波は越えてしまうのか」と、改めて震災の津波の規模を思い起こす声も出ていた▼整備を担当した県大船渡農林振興センター管内では現在、吉浜、小友、本郷、下荒川地区でも堤防の復旧工事を推進中。津波防災の要として地域からの期待も大きいだけに、着実な工事の進捗が求められるだろう。

つむじ風3月28日

 4月から北上市の国道107号と奥州市前沢区の国道4号を結ぶ県道前沢北上線が新たな県道として認定となる。地元市町や住民らが長年要望していた国道4号の西側を、宮城県栗原市から北上市へ通ずる(仮称)栗原北上線の一部区間が、実現される格好となる▼前沢北上線は、並行して走る県道5路線を市町道に移管する形で認定される。新たに県道となる路線は、元々は広域農道などとして整備された。未改良区間を含まないことから先行して認定となった▼未改良区間とはいえ、県道となることで交通量が増えることも予想される。改良等の必要な個所が出てくることも考えられ、調査を進めていくことが必要だろう▼残りの前沢区以南については、関係市町で市町道の整備を現在進めている。一部区間の県道認定が実現したことを契機に、さらに整備を促進させ早期の認定につながっていくことが望まれる。ただ、残区間には地元行政と住民とで要望しているルートに違いがあるようだ。早期の実現には、双方が協議して一枚岩で活動していくことが求められる。

つむじ風3月25日

 本県をはじめ全国で入札制度改革が華やかなりし頃、県内で市民オンブズマン活動を行う「有識者」に意見を聞きに行ったことがある▼低入札の横行が従業員や下請の待遇などに悪影響を及ぼす可能性について聞いたところ「建設業の仕事に雇用の流動性が一切なく、他産業と途絶されているのでなければ問題ない」という趣旨の答えが返ってきた。平たく言えば「嫌なら辞めてしまえ」ということなのだろう▼自然災害の頻発やインフラの老朽化などを背景に建設業の社会的意義が再認識され、入札制度の面からも建設業における人材の育成確保を支援するようになった現在の状況から見れば「何を寝ぼけたことを」の一言。しかし当時としては、極論ながらも一つの見解として、世の中に受け入れられていたのだろう▼ちなみに当時から建設業は社会に不可欠な産業であり、ここ数年で急に社会的な存在意義を持つようになったわけではない。周辺の環境、というよりも物の見方が変わっただけ。業界関係者自らも、建設業の普遍的な価値を見失わないようにしたい。

つむじ風3月24日

 有名芸能人の発症により、「もやもや病」という病名を耳にした。詰まった脳の動脈を補うために、周囲から細い血管が発達してくるのだという。その病名とは異なり、脳梗塞につながりかねない難病も一つだ▼道路も同様で、幹線道路の流れが滞ると周囲の生活道に車が流れる。当然、多くの交通量を受け入れる能力がないため渋滞するし、交通事故を引き起こす▼国道4号の茨島こ線橋−分レ区間も同様で、慢性的な交通渋滞から逃れるために滝沢市内の生活道道などに車が流入。確かに自身を振り返ってみても、渋滞を意識して同区間を通ることはほとんどなかった。26日には盛岡北道路が全線開通する。開通後は同道路のみならず、周辺道路の混雑緩和や安全性の向上につながるはずだ▼東日本を縦断する大動脈・国道4号。県内では隘路区間解消のため、水沢東バイパスや北上拡幅などで計画的に整備が進められている。復興支援道路として横軸の整備が精力的に進められているが、やはり背骨となる国道4号が万全であってこそ、本来の効果が期待できる。

つむじ風3月23日

 近年、「記録的な」を枕詞に降水量、高温などによる豪雨や豪雪、猛暑、暖冬などの異常気象が日本ばかりでなく、世界各地で起きている。本県でも今冬の降雪量は、記録的に少なかった▼世界気象機関(WMO)は、世界気象機関条約が1950年のきょう発効したことを記念し、毎年3月23日を世界気象デーと位置付けている。キャンペーンテーマを設定し、気象業務への国際的な理解の促進に努めている。今年のテーマは「より暑く、より乾いた、より雨の多い│将来と向き合う」▼WMOでは、二酸化炭素濃度が産業革命以前は濃度280ppmだったが、昨春には北半球で400ppmを超えたと指摘。「気候は変化しつつある」とするとともに、「これから数十年間、引き続き変化する」と発表している▼災害が起これば、いち早く現場に駆けつけ状況を確認し復旧活動にあたる建設業。「より暑く、より雨の多い」は、将来のことではない。本県でも実感できるレベルとなってきた。この変化には、現場でも対応していかなければならないのではないだろうか。

つむじ風3月22日

 徒歩や自転車での通勤でも、寒さをそれほど厳しくは感じられないようになってきた。春の足音が聞こえてきているのを実感する。一方で、マスクを着用している人が多くなった印象もある。花粉症の時期にもなったということだろうか▼インフルエンザのピークは過ぎたようにも感じられるが、報告数は依然として高い状況が続いている。今シーズンは流行しだしたのが平年より遅かったことに伴い、終息するのが遅いとも指摘されており、まだまだ注意が必要だ▼花粉症になっているときには、粘膜に炎症を起こしたり、免疫力が低下したりするが、そのタイミングで追い打ちをかけるようにインフルエンザウイルスに感染すると、重症化する危険性が高まるようだ。具体的には、咳などの症状が長期化して重症になり、せき喘息を発症して肺炎を併発する可能性もあるという▼季節の変わり目であり、年度末に差し掛かり、さまざまな面で慌ただしい時期にも入る。免疫力が低下して体調を崩しやすい条件がそろうが、対応策を講じていき健康で年度末を過ごしたい。

つむじ風3月18日

 地域防災における人材育成について、各分野で議論されている。先ごろ開かれた岩手大学地域防災研究センターの地域防災フォーラムでも、復興や人材育成における大学の役割などについて、各部門の担当教員らが意見を交わした▼震災から5年を経過した今こそ、人材育成が必要ということだろう。大学に限定しないオール岩手での取り組みの必要性や、イベントなども含めた地域住民と専門家との連携が人材育成につながることなどが論じられた。▼同センター教授の越野修三氏は、行政機関には人材育成に関する継続性が無く、大学がその役割を担っていると指摘。その上で「個別の教員による対応には限界があり、底上げに努めることが大学の役割」と提唱した▼ここまで読んで気が付いた読者の方も多いと思われる。「個別の教員」は「個別の企業」に、「大学」は「業界団体」にそのまま置き換えが可能。岩手・宮城内陸地震や東日本大震災などの教訓を糧として地域防災の人づくりに努めることも、建設業界の社会貢献活動の一つではないだろうか。

つむじ風3月17日

 東日本大震災からの三陸復興が前進している。復興のリーディングプロジェクトとして事業が進む三陸沿岸道路。うち17年度に開通を予定している山田宮古道路(山田町〜宮古市)では、区間最長トンネルの(仮称)山田第2トンネル(1985b)が貫通した。18日に式典が行われる。区間内のトンネルとしては3本目の貫通だ▼山田宮古道路は延長14`の自動車専用道路となり、開通すれば国道45号(現道)における津波浸水区間や線形不良区間を回避することが可能になる。区間内にはトンネル4本を整備する計画で、全トンネルで工事が展開している▼豊間根トンネル、山田第1トンネル(いずれも仮称)に続いて、山田第2トンネルで3本目の貫通。17年度の供用開始へ、大きな弾みとなる。式典では、関係代表者が通り初めや鏡開きなどを実施する予定。地元住民も道路の姿が見えてきたことに喜びを感じることだろう▼三陸沿岸地域は震災から6年目を迎えた。復興を体現する三陸沿岸道路。新たなまち並みとともに、まちの基盤となる道路の姿も見つめたい。

つむじ風3月16日

 1934年のきょう、瀬戸内海と雲仙、霧島の3カ所が日本初の国立公園として誕生。現在は国内に32カ所あり、本県では十和田八幡平と三陸復興の2カ所が指定されている▼三陸復興公園は、青森県南部から本県を経て、宮城県牡鹿半島に至る。環境省では「断崖、岩礁、岩門、海食洞、潮吹穴といったダイナミックな海成段丘や海食崖景観と、自然性の高い海岸に生息・生育している動植物などを展望所・自然歩道などから間近に探勝できる」と紹介▼同公園を縦断する形で「みちのく潮風トレイル」も設定されている。延長は、八戸市から福島県相馬市までの約700`。14年7月からは、八戸│久慈間(全区間・約100`)のトレイルコース踏破認定制度がスタートした▼春が近づき、今年はどの山に登ろうかと考えながら、かつての山行を思い出したりする。ゴリラ岩、雷岩、潮吹穴、つりがね洞、兜岩…想像力を掻き立てるような名前を持つ岩礁、岩門などが潮風トレイルにはある。登山とともに潮風トレイルを休日の選択肢に加えてもいいのではないだろうか。

つむじ風3月15日

 被災地沿岸に再建される釜石警察署等庁舎は、設計プロポで最優秀者を特定。今後は地域の安全を守る拠点施設として、18年度の完成を目指し、準備を進めていくことになる▼大槌町では防災の拠点となる大槌消防署が、19日に落成式を迎える。震災前、中心部にあった消防署は、津波で全壊。新庁舎は、津波で浸水した旧大槌中跡地を約3bかさ上げし建設。規模は鉄骨造3階建てで、延べ床面積は約1700平方bとなっている▼新庁舎の隣では、大槌川に架かる源水大橋も今月下旬に開通予定で、供用後は消防署のある源水・大ケ口側と、沢山側が結ばれる。さらに周辺には三陸沿岸道路の(仮称)大槌インターチェンジも設置される計画で、域内外への円滑な移動も可能になる見通しだ▼沿岸南部では、釜石消防署や陸前高田市消防防災センターが再建され、供用を開始。大船渡市でも(仮称)防災センターが、昨年から工事に入っている。各地で進む安全・安心の充実に向けた拠点整備。地域の期待に応えるためにも、着実な整備と運用が求められるだろう。

つむじ風3月14日

 人気アイドルグルーブSMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」の歌詞に、花屋で困ったように笑いながらどの花を買うか迷うも、嬉しそうな表情で花を抱えて店から出てきた人がいるとの趣旨の部分がある。普段は花のような物を購入しない人が、贈り物のため慣れない花屋に行ったと個人的には解釈する。きょう14日は、ホワイトデー。お返しした男性には、菓子などの購入時に似た境遇だった人もいるだろうか▼バレンタインに女性社員がチョコレートなどを贈り、一カ月後に男性社員がお返しする光景。建設業において女性技術者らの入職が増えれば、今以上に現場での朝礼前などに多く見られる光景になるのかもしれない▼県南広域振興局で催す高校生を対象したキャリア教育支援事業に、県建設業女性マネジングスタッフ協議会(高橋純子会長)が参加し、女性も安心して働ける職場であることをPRしている。女性が一層働きやすい環境とするには、女性専用のトイレや更衣室などの施設整備、そして男性社員のさまざまな面での心使いが必要に感じる。