このページは、 Web プラットフォーム関連の いくつかの仕様の日本語訳の一覧と,それらの日本語訳に共通する事項についての説明です。
これらの翻訳の正確性は保証されません。 これらの仕様の公式の文書は英語版であり、日本語訳は公式のものではありません。 (実際に誤りが見つかることも時折あります。 それらについては見つかり次第修正され,加えて用語の対訳や言い回しなども時折修正されるので、これらの翻訳が「完成」する日は決して来ないとも言えます。)
一部の仕様は日々改訂され続けているので(特に WHATWG によるもの, あるいは W3C の編集者草案( Editor's Draft ))、日本語訳は最新版と一致していないことがあります。 また、原文の更新に伴う,訳の更新の際に取り込み漏れがあるかもしれません†。 その完全性は保証されませんが、ツールを利用して不定期に検証されてはいます(多数の更新箇所が積み重なったときなど)。 ( † RFC 文書, W3C 勧告については、原文の更新は無いので,和訳に埋め込みの原文との差分は検査済み。 )
目次やリンクなど,ページ内容の一部はスクリプトで自動生成されています。 Jacascript / CSS / DOM の対応が古いブラウザでは、表示が崩れたり,一部の機能が働かないかもしれません(特に IE 6〜8 は全く考慮されていません)。 HTML5 タグも数種に限って( section, nav, aside など)利用されています。 一部のページには SVG 画像も利用されています。 また,多くのページは、大半のリンクが, 更には内容の大半がスクリプトにより生成されています(特に WHATWG によるもの, CSS 関連仕様)。 これらについては Jacascript (の有効化)が必須になります。
Level 3 は,他の仕様との統合に適するように全面的に書き直された CSP 仕様。 旧版は: CSP Level 2, CSP Level 1
requestIdleCallback() メソッド
— バックグラウンドタスクを,時間に厳しい他のタスクを邪魔することなく実行するための API )
sendBeacon() メソッド
— 文書の unload 時にサーバに向けて非同期にデータを送信させる)
次が含まれたパネルが表示される:
パネル表示中は、左右矢印キーにより,これらのリンク先(“原文” を除く)を巡回できる。
† id が付与された項目 — 具体的には、
章/節の見出し,
定義用語,
インタフェースのメンバ定義,
定義リストの見出し,
参照文献の見出し,
CSS の各種プロパティやその値, 値型,
等々。
†† リンクテキストには、章/節 の見出しについては その原文,他の場合は その項目の id が示される。
††† 和訳のみに id が付与されている項目については示されない。
また、自動処理の都合などから、原文と異なる id が付与されている項目もあるが、その場合でもリンクは元の id を指すようにしている(逆に,和訳ページが元の id でアクセスされた場合も同様)。
対訳切替など,一部機能は省略されているページもあります。
以下に述べる表記規約は原則であり,ページ間で多少異なることもあります。
リンクのスタイルは次の3種:
その他のスタイルは,基本的には,原文に即する様にしてありますが、マージンや行間などを日本語に適したスタイルに変更したり、各種 仕様間の一貫性をとるため,新たなスタイルを追加/別のスタイルに置換したり,不要なスタイルを除去して簡略化してもいます。
基本的には,原文に即する様にしてありますが、次に挙げる理由から,使用タグやマークアップ構造を変更している部分もあります:
これらが翻訳結果の構成に大きく反映され、見かけ上,原文と乖離する場合もときどきある。
曖昧さや多義性を抑制し,視認性も向上させる目的で、句読点や記号,括弧類その他の約物は積極的に利用されています。 これらは、仕様が対象にしている分野に関する知識や意味論に通じていない状態でも,文脈から推定する労力を軽減し, 内容を正確に読み取り易くするためのものであり†、文法的な厳密さ(互いに無矛盾かつ, 解釈が常に機械的に一意的に定まる,等)を備えているわけでも, 適用し得る所には常に利用されているわけでも, 全ページで完全に統一されているわけでもありません:
(† また,訳者の理解度/翻訳意図をより鮮明に表すものでもあるので、解釈/翻訳に誤りがあれば,それをより鮮明に示すことになる — 例えば,角括弧の用法: 英文 “only in X or Y” ( X, Y は何かの集合) の解釈は、文脈に依存して, “[ X 内のみ ]または[ Y 内のみ ]” が意図されている場合もあれば, “[ [ X または Y (和集合)]内のみ ]” が意図されている場合もある )
| 記号 | 説明/用法(原則) |
|---|---|
| 隅付き括弧 【, 】 | 訳者による【注釈/原文の補完】。 |
| 全角 丸括弧 (, ) | 後述の全角ダッシュとは対照的に、主に,補助的な説明や例示(例えば,“CSS( Cascading Style Sheet )” のように)を与えるために利用される。 |
| 全角 角括弧 [, ] | 修飾や条件などの対象範囲の明示的な括り。 例えば、[[列挙された多数の語句]や長い語句]を文の中で一体として扱うとき,あるいは 読点の結合順位(後述)だけでは不足する場合など(例えばこの文では、内側の [, ]により “列挙された” が “長い語句” にかからないようにした上で,“一体として扱われる” 対象を明確化するために外側の [, ]で括っている)。 特に必要がない所でも,同じパターンが繰り返されるときは、パターンを強調するために利用されることがある。 また、長文の構造を読み取り易くする際にも利用される。 ( これは、話し言葉のように一息に話すことにより,ひとまとまりを表現するような柔軟性を、多少なりとも書き言葉に付与するためのものでもある。 また、書き言葉であるからして,発音できない各種記号を使わない手はないであろう — 語句の順序を 論理的な流れを追い易いものに保ちつつ,曖昧さを排除するためにも。 厳密さを追求するなら、記号に頼らず,あらゆる関係構造をマークアップに落とし込んだ上で, CSS で呈示に反映させるのが理想であろうが。 ) |
| 全角コロン ":" | コロンの前の語句に,後続の文やブロックでその説明や定義を与える(特に,説明が長くなる場合)。 |
| 句点 "。" | 句点は "。" に統一。 |
|
全角読点 "、", 全角カンマ ",", 半角カンマ "," | 結合度の低い順に,左の3種類が読点として利用される。 結合度が全角読点の一種類で済む場合でも、連続性が強い所では,カンマが用いられる。 また,半角カンマ(+半角スペース)は、文脈の中で等格な語句/キーワードを列挙する際に特に用いられる。 (これらは,実質的に “[, ]” の略記と見なせることが多い。) |
| 全角ダッシュ " — " | (1) 長めの語句の挿入(丸括弧が補助的な説明を挿入するのとは対照的に,規定としての語句を挿入するときなど — 2 個の emダッシュで括られる)、あるいは, (2) ダッシュの両側の二文の関連性を明示するときに(句点で区切る代わりに)用いられる。 U+2015 ( HORIZONTAL BAR ) ではなく, U+2014 ( EM DASH )。 |
| 全角スラッシュ "/" |
|
| 半角スペース |
“小さな” 区切り。
|
| 二重引用符: (曲線型) “…” (半角) "…" | “曲線型” の方は,通常の引用符(説明のための,比喩的/概念的な記述など)。 "半角" の方は,仕様が規定するリテラルや記号類, 例示コード類の括りなど,意味よりも文字列そのものの同一性/忠実さが重視される所で利用される。 |
これらの記号を多用する理由は、(前提として多義的に解釈されては困る)仕様書の一般的な傾向として: 初見の用語の比率が高い / あらゆる事例に対応するため 条件など様々な修飾が多用される(したがって文の構造も複雑になる) / 同じ理由で抽象度の高い用語が多用される傾向にある / 説明などの補助的な文章も最小限に抑えられている / “ストーリー” がない, などの理由から、文脈から意味構造を一意的に決定するのが比較的 難しくなるので — 例えば「黒い目のきれいな女の子」
どの和訳にも,次に挙げる対訳が利用されています:
| MUST ( MUST NOT ) | 〜しなければ(〜しては)ならない | (a) |
|---|---|---|
| SHALL ( SHALL NOT ) (*1) | 〜する(〜しない)ものとする | (a) |
| REQUIRED | 要求される (*2) | (a) |
| SHOULD ( SHOULD NOT ) | 〜するべきである(でない)(*3) | (b) |
| RECOMMENDED | 推奨される | (b) |
| MAY | 〜してもよい | (c) |
| OPTIONAL (*4) | 任意選択 / オプション / “(省略可)” | (c) |
表の右端列の: (a) は絶対的 要件, (b) は特別な理由が無い限り守るべき要件, (c) は字義どおり任意に選択できる ことを意味する。 これらの対象にされる主体には、主に: 実装者( UA やサーバ) / ページ作者( Web 内容) / 仕様 策定者(その仕様に依拠する他の仕様) などがある。
原則として、上に挙げた以外の対訳は利用されていない筈です(*5)。 逆に、他の句に上に挙げた対訳を利用することも避けています。 ただし,小文字の “must” 等は、これらの語に対する大文字表記(またはマークアップ)が[ 省略されている仕様 / 省略されていない仕様で RFC 2119 の意味の下で用いられていると考えて差し支えない所 ]では、マークアップを施さないまま,同じ対訳にされています。
多くの仕様では,以下に挙げるような慣用句が用いられています(括弧内は原文の表現):
仕様の中のアルゴリズムは、順序付きリストの入れ子階層によるマークアップにより,一般的なプログラミング言語と同様の実行順序/制御構造が表現されています。
(特にアルゴリズムが占める比率が高い,)一部の仕様の和訳では、アルゴリズムの中の定型的な記述を簡明に, かつ一貫させるため、いくつかの記号を導入しています(個別の仕様ごとに,追加の記号が導入されることもあります):
| 記法 | 意味 |
|---|---|
| これ° | 上述の 文脈オブジェクト の略記。 |
| 変数 :← 値 | 新たな 変数 を導入した上で,その値を与えられた 値 に初期化することを表す(原文 “Let 変数 be …” )。 |
| 変数 ← 値 | 既存の 変数 (またはプロパティ/属性)への 値 の代入/設定を表す(原文 “Set 変数 to …” )。 ( :← や ← のような記法を用いる理由の一つは、代入(もしくは定義)や設定の日本語表現には “A を B とする”, “A を B に設定する”, “A が B になる”, “A を B にする”, “A は B とする”, …等々,多種多様な言い回しがあり、文脈, あるいは A, B の役割や定義に依存して,どちらが代入/設定される側になるかの解釈も変わり得るため,誤解の余地も生じ易い/文脈を汲み取る労力を要するので。 もちろん,何らかの表現を一貫して用いることは考えられるが、訳者自身もしばしば,どの表現に統一されているのか忘れることがある。 あるいは、 “Set” を常に “設定” と訳すのでは都合が悪く,“Let …” との違いが明確にならないこともある。 要するに翻訳の手間を省くことも目的の一つにある。 ) |
|
変数 += n, 変数 −= n | 変数 に対する増減操作(+= は加算, −= は減算, n はその量)を表す。 |
| +, −, ×, ÷ | (数式の文脈の下で)数値の加減乗除算(あるいは正負符号)を表す。 (負符号 "−" は Unicode MINUS SIGN 。 除算は 原文では通例 "/" で記されるが、他の区切り記号にも多用されるので,和訳ではなるべく "÷" を利用している。) |
| >, ≥, <, ≤ | (真偽条件の文脈の下で)数値の比較を表す。 |
|
A = B, A ≠ B | = は A と B が同じであることを表す(原文 “A is B” †)。 ≠ は = の否定を表す。 仕様には明文化されていないことも多いが,同じであることの定義は、比較対象が属する型に依存する — 通例的には、比較対象が: オブジェクトの場合は 同一のインスタンスであるとき / 数値などの primitive 値の場合は 値が等しいとき / いくつかの値の組のような複合値の場合は それぞれの対応する成分が同じであるとき,同じとされる。 († “A is a B” は、通例 “A は B である” と訳される。 ) |
| A = 空 | A がリストや集合であるとき、これは,実際には “A の要素数 = ゼロ” の略記である。 ≠ についても同様。 “空” の代わりに “∅” が用いられることもある。 |
| A 〜 B | 値の範囲を表す( A, B も含まれる — ただし,A > B の場合の範囲は空集合になる)。 |
| { … } | 括弧内に挙げられた対象の集合を表す。 |
|
e ∈ S, e ∉ S | e の集合 S への所属( ∈ )を表す。 ∉ はその否定を表す。 例えば e ∈ { a, b, c, … } は、 e が右辺に列挙されたいずれかの項と同じ( = )であることを表す。 |
| A =注釈記号 B | 注釈記号 が付いた比較は、その記号の定義に基づいて解釈される(例えば “=大小無視” は、文字大小無視に基づく文字列の比較を表すなど)。 記号の意味は、個々の仕様の中で定義される。 = の代わりに ≠, ∈ なども利用される — その論理は 注釈記号 に定義される同値関係に基づく。 |
| ON, OFF | フラグの状態値を表す。 上述のフラグの項を見よ。 |
| IF 条件 :ブロック | 条件 が成立するときに限り,ブロックの内容を実行することを表す。 |
| ELSE [ IF 条件] :ブロック | 直前に現れている, 同じ階層レベルの[ IF および それに後続する ELSE IF ]に与えられた どの条件も,それが評価された時点で満たされなかったときに限り(すなわち,それらのどの ブロック も実行されなかったときに限り)、加えて, IF 条件 が与えられている場合は その条件も成立するときに限り、 ブロックの内容を実行することを表す。 |
〜 に応じて:
| いわゆる switch 文。 〜 に記された対象が後続の どの 条件1, 条件2, … を満たすかに応じて、対応する ブロック を実行する(あるいは,その記述に従う)ことを表す。 各 条件 は、対象がとる値, または値の範囲として記されることが多い。 その場合、対象の値が[ 示された値と同じ/ 示された範囲に入る ]という条件として解釈することになる。 各 条件 による場合分けは,通例 排他的になるが、そうでなければ何らかの処理規則(例えば, “最初に該当する段を実行する” など)が付記されることになる。 |
| WHILE 条件 :ブロック | 条件 が成立する間,ブロック の内容を繰り返し実行することを表す。 |
| … 各 ( … 対象 ) に対し :ブロック | “…” に記された[ 対象範囲に属する, あるいは条件を満たす ]ような 対象 それぞれについて,その列挙順序が明示的に指定されていれば その順序に従って、ブロック の内容を実行することを表す( “for each” )。 列挙順序が指定されていない場合、一般に,対象範囲がリストのような元々順序を備える集合の一部であれば,その順序に従う。 処理結果が列挙順序に依存しないものについては,順序が指示されないこともあるが、依存する場合は実装依存になる可能性がある。 |
| CONTINUE | 繰り返しループ( WHILE … / “各 ( … )” )において、現在の反復を中断して,次の反復へ移行することを表す。 |
| BREAK | 繰り返しループから抜けて,ループブロックの次の段へ移行することを表す。 |
| GOTO ラベル | ラベル が付与された段へジャンプすることを表す。 |
| THROW 例外名 | 名前 例外名 の例外を投出した上で,(特に並列的に実行を継続する指示が与えられていない限り)現在の手続きも終了することを意味する。 “例外の投出” の具体的な処理内容は、 WebIDL 仕様にて 定義される (日本語訳)。 例外は、例外を投出したアルゴリズムを呼び出したアルゴリズムにも伝播する。 すなわち、呼び出した側も,その例外に対する処理が特に指定されていない限り、(呼び出しが行われた所で)その例外を再投出した上で,その手続きを終了することになる。 |
| RETURN [値] | 値 をアルゴリズムの呼び出し元に返した上で,(特に並列的に実行を継続する指示が与えられていない限り)現在の手続きも終了することを意味する。 値 を伴わない RETURN は、返り値が無いことを意味する。 呼び出し元のアルゴリズムにて,この返り値を指すときには、通例, “〜した結果”, “〜の返り値” と記される。 |
| Assret:条件 | いわゆる表明。 条件 で表現される暗黙的な不変則を明示的に示して,アルゴリズムの明確化を図るものであり、アルゴリズムの意味論に要件を追加するものではない。 |
日本語と英語には(特に文の構造に)大きな開きがあるので、語彙以前に,原文を論理的に等価な言い回しに変形することも よくあります — 例えば,対偶をとるなど。 (挙げていくと際限ないが,実際には、英語のすべての定冠詞(の有無, あるいは all, every, each 等々), あるいは語形変化など、およそすべて, “等価な” 言い回しに変形することになる。 双方の言語には,利用する語彙そのものに異なる視点が組み込まれているので、より適する言い回しも,必然的に異なることになる。 単語の省略法も異なるので、原文に無い語を補完したり,逆に原文の語を省略することも必要になる。 )
また、英語は動詞が中心的な意味を担う場合が多く、プログラミング言語で言い換えるなら,いくつかの callback 関数を入れ子にして記述するのに近い感がある(直訳的には、 “〜することを〜することを〜することを … 〜する” のように — 5 段くらい入れ子にされることも珍しくない)。 ついでに、英語の動詞(例: serialize )は ある関数を実行すること, 動名詞 〜ing (例: serializing )は 関数のある実行インスタンス, 動詞を語源とする名詞(例: serialization )は 関数そのものの定義に対応付られるような感もある。
マークアップや自動処理などの編集上の都合が,以下の原則より優先されている箇所も中にはあります。
仕様が規定するモデルの定義をより明確化する/簡潔にするため、和訳では,明示的に定義用語とされていない語にマークアップを施したり, 新たな用語を導入することもあります。 例えば、ある語 X が,単独の個としての意味と いくつかの集合としての意味を兼ねて定義されることもよくある — 英文では, “X”, “Xs” のように単数形と複数形で自明に/慣用的に区別し得ても、和文では, “X”, “X リスト” のように,明示的に分けて定義しないと はっきりしないことがある。
原文に含まれている情報を訳文の中に可能な限り正確に反映させるための一環として、語彙とその対訳は、なるべく,一対一の対応関係(より厳密には単語単位ではなく,句や意味構造の単位による対応関係)が保たれるようにしていますが、仕様が扱う対象や技術的内容など,利用される文脈に依存するので(ときには仕様の編集者が好んで用いる表現にも)、特に分野が異なる仕様間では,必ずしも統一されてはいません。 ( 一般的には、日本語/英語の単語をノードに見立てて,それぞれの言語の各単語の関係性を平面グラフに描いたとしたとき、互いに双対グラフのような関係にあると考えた方がよいであろう。)
この種の重複は,同一仕様の中では(言い回しなども利用して)なるべく避けています (例えば: “get” / “fetch” / “obtain” / “retrive” / “aquire” / “achieve” / “gain” … → “取得する” / “取得をかける” / “得る” / “回収する” / “獲得する”, … 等々)。 多くの場合、同じ対訳が用いられても形式的には特に問題ない所でも、意味的/語源的/役割的に異なる含みが込められていたり,文脈を識別し易くする目的で 異なる語が利用されることも見受けられるので(もちろん,この種の厳密的な対応付けが必須になる場合も多いが、当初は気付かなかった訳出の不足点を見つけたり, 後から修正する際にも役立つので)。
逆に,同じ語句に異なる表現を使い分けることは、比較的 多くなっています — ( “set” → “設定” / “集合” の様に原語自体が多義的に見える†ものに限られず) 例えば “match” → “合致”/“照合” や, “change” → “変更” / “変化” など (主題とされている対象から見て,その効果が能動的/受動的いずれになるかによっても,対訳が変わる/変わらざるを得ないことも)。 しかしながら,逆に使い分けを抑制している場合もあります (例えば, “align” の対訳には “整列する”, “〜寄せ”, “揃え” などがあり,馴染まれている表現も文脈によって異なり得るが、その様な場合でも,敢えて一つの表現に統一することがある。) (英語自体,同一の対象を様々な語彙で言い換える書き方が好まれる傾向もあり、編集者によっては,その頻度が高いこともある — その場合、ある程度 “正規化” して和訳しないと,何が “同じもの” を指しているのか不明瞭になり,読者を困惑させることになるであろう。) († 多義的とは言い切れない面もある … 例えば、設定 → 設定の集まり(一式),のような意味論上の関連性は考えられる。 同様の例として、 “load” の対訳には,動詞に対する “読み込む” と名詞に対する “負荷” の二つが挙げられるが、英語話者にとっては,同じ概念に帰するのではないかと思われる。 )
仕様間の対訳の不統一も,その必要性が薄ければ避ける方針なので、一部の語の対訳には多少の冗長さ/不自然さ/馴染み難さを感じる所はあるかもしれません。 (例えば “feature” の対訳に利用されている “特色機能” は, “機能” とされても特に問題ない箇所もあるが、頻出する語でもなく, 単なる機能以上の含みもあるので、 “function”, “work”, “ability”, “capability” などの対訳との重複を避ける方を優先している。 )
一部の用語には、定訳が見当たらないなどの理由で訳者による対訳があてがわれていたり(その種の対訳は後で変更されるかもしれない),カタカナ表記(外来語)に普及度が高くない漢字の対訳を用いています(要するに訳者の好き勝手にやっている)。 文脈が幅広い一般文章の中のカタカナ表記には:
などの利点が考えられますが、ここでは:
ことから、漢字表記による,概念(あるいは用途/役割)の把握し易さ/関連の一般語との概念的な関わりの維持/記述の簡潔さを多少優先させています(コード類との対応関係の判り易さについては,翻訳行為 自体と相反するので、ある程度 目をつぶらざるを得ないですが)。 例えば:
( その他、カタカナ利用の理由には,表現を婉曲にする( “便所” → “トイレ” など)などもあるが、その種の表現が仕様の文脈で必要になる場面は,通常ない。 しかしながら、和語にすると無用に “生々しく” なることが多いのも,カタカナ語が増える理由にあると思われる。 )
対訳では、頻度が高い/通りがよい/長過ぎるなどの理由で略語や原語そのままが利用されたり(例えば:
等々)、あるいは,
その他の理由で原語のままにされる場合もあります。 (どちらで表記しようが,専門的 難しさは変わらないなら、略語/原語で記しても同じことであろう。)
一部の用語には,語彙の統一や節約 の観点から(あまり一般的でない)動詞としても機能し得る名詞や熟語が利用されています。 代表的な例として、 (例外の) “投出” など。 体言としての “投出” と動詞としての “投げる” の2種類を語を使い分けるのは,なるべく避けたいので。 同様に、例えば “transition” の対訳に “遷移する” (動詞)/ “トランジション” (名詞) の2種類を語を使い分けるのも好ましいとは思えないので(加えて,動詞を “トランジションする” とするのもリズムが悪い)、この種の事例では “遷移効果” / “遷移する” の様な表記を優先させています。
無くても差し支えない所は省略する方針です: カタカナ表記の役割としての,とりあえず近似的な発音で代用して記憶し易くする/原語スペルを復元し易くする 観点からは、大方,在っても無くてもさして変わらず、カタカナ語(表音文字系の言語)は本来的に,文字数に比して短く一息に読まれる方が 文章のリズムは取り易く出来ているものと考えられるので。 また、多用されている全角ダッシュ( “—” )と紛らわしくなるのも避けたいので。 ( 長音無しを基準にとれば “省略” という言い方もおかしい? 長音付きが好みの方は脳内変換で対応して下さい。 脳内変換に関して言えば、長音[ 無し → 有り ]に 補完して 読む方が,[ 有り → 無し ]に 省略して 読むよりも馴染み易いのではないだろうか? )
例えば “ティ” で終わる語の語尾の長音は、全般的に,長音の有無で意味が変わったり, 長音が省略された語の方だけ使用されない事例はごく稀と思われるので、省略しています( “プロパティ” など)。 動作の主体(動詞の変化形)を表す語尾の長音( “サーバー”, “ユーザー”, “パーサー”, “オブザーバー”, 等々)についても,大半は省略されています(仕様の中ではこの種のものが大勢を占める)。 (参考 — 語尾の長音は、動詞の変化形の識別に有用だろうか?) このページに挙げた翻訳の中の,語尾の母音が「ア行」で終わるカタカナ語のうち、語尾の長音の有り/無しの(ほぼ)一方のみが一般に利用されている語は、(“スクロールバー” のような複合語は分解した上で)約 25 語ほど(加えて,数語の国名/地域名 — ロシア, アジア 等)あり( 2013-12-17 時点)、主なものは: エラー, データ, パラメタ, メディア, ペア, カンマ, スキーマ, セキュア, バー, センター など — ほぼすべてが動詞の変化形でない。 逆に,長音の有り/無しが可能なものは 57 語あり、そのうち動詞の変化形でないものは 10 語: クラスタ, クリア, チルダ, バッファ, メンバ, アンカー, ヘッダ, フィルタ, フッタ, モニタ。(中には動詞もあるが、変化形ではない)
上に挙げたページは翻訳なので二次著作物であり,その翻訳作業に関わる部分の著作権は翻訳者(連絡先)に帰属することになりますが、翻訳者はその利用について、原著作物の著作権に起因する制約を除き,次の通りと定めます:
このページ自身, およびこのページの
ページ一覧
に挙げられている各ページは
クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。
加えて、これらを再頒布する際には、ライセンスの規定上,一意的に特定される著作権者の表示が必要になりますが、その際の著作権者の氏名の表示は義務ではなく,代わりに[ ウェブ上のリソースとして公開された当該の著作物の URL, および そのリソースを取得した日付 ]を付記することが要求されるものとします。
尚、上の ローカル保存 に挙げた,スクリプト, スタイルシート, その他のリソース†についても、(日本語訳ページの一部をなすものとして)同様の扱いとします。 (†画像などのリソースも,訳者により日本語化されているものがある)