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南虎様掲載の彼の家族と思われるお墓にたたずむ幼い子の写真を見て。。。
私がハワイの学生時代、親しい友達がいました。彼はハワイで生まれて、育ったのは日本。そして、ハワイに帰ってきて学生をしていました。当時は、殆どの兵隊はドラフト制で各地から何万、何十万という若い人達がドラフトされていました。「Join the Navy, see the world. Join the Marine, see the hell.」とか言っていた時代です。成績の悪い学生もドラフトの対象でした。私の友達はアメリカで生まれてアメリカ市民でしたが沖縄育ちなので当然英語には問題があり、成績も芳しくなかった。で、海兵隊にドラフトされました。訓練は、本土で5ケ月間のみ。すぐにベトナムに派兵されました。彼は柔道をやっていたので腕力には自信があり、ベトナムに行って2~3回手紙の交信があり、昇進されて軍曹にまでなったと書いてました。その後、音信はぷっつりと切れて、行方が分からなくなりました。家族の方に会いに行くと、やはり音信はなく寂しそうにしていました。
私がニューヨークにいた時、やはりベトナム帰りの日系人の知人がいました。彼は、頭の毛が一部ありませんでした。銃弾がヘルメットの中に入り抜けて出て行ったとのことで、命は助かりました。名誉の負傷で彼は幸運にも早々に帰還しました。学会メンバーのやはりベトナム帰還兵で知人がいました。彼は帰国して警察官になりましたが、酒や麻薬中毒症になっており、夜寝ている時も悪夢を見ると言っていました。夫婦仲(夫婦共々警察官)も悪くなり、奥さんの方もノイローゼになってイースト・リバーに身投げして自殺しました。
フロリダに引っ越して来て、学会メンバーの奥さんの家庭には幼い二人の娘さんがいました。彼女の旦那さんはやはりベトナムの帰還兵でした。こちらで、当時、ドラフトされて兵隊になると言っても皆高校を卒業したか、大学に入ったばかりの年代なのです。18~20歳の時に、短期間の訓練を受けてベトナム戦線に派遣されます。五体満足に無事に帰国したとしても、精神的に完全に異常をきたしています。若くして、人を殺すことを特訓され、戦線に行けば身を守るために敵兵は殺します。また、敵からの弾が飛んでくるわけではなく、「Friendly Fire」と言って、味方からの弾も飛んでくると言っていました。彼は麻薬と酒に溺れ、とうとうノイローゼになり拳銃で頭を打ちぬいて自殺しました。それも幼い娘さんのいる所で死にました。娘さん達は長い長い間トラウマ状態でした。信心で家族を励ましましたが、心の傷は簡単には治りません。他の知人で、やはりベトナム帰りの友達もいました。当時、枯葉剤(Agent Orange)の副作用で、何もやる気の起らない病気になり苦しんでいました。信心を激励して一緒に何回も勤行をしました。彼がリズムに乗っている時は、正常な人として振る舞うのですが、リズムが狂ってしまうと、また元に戻って全くやる気のない人間になります。ある時に、フロリダからいなくなりどこかに引っ越して行きました。
イラクやアフガニスタンに行き、帰国した人達も知っています。あまり親しい人達ではないのですが、イラク戦争の時は、劣化ウラン弾(DU=Depleted Uranium)をふんだんに使っています。地下防空壕に潜んだイラク兵を攻撃するために飛行機の上から数えきれないほど劣化ウラン弾を落としました。その爆弾は地下30メートル深くまで突き抜けて爆発するという莫大な威力を持っています。結果、何人のイラク兵が殺されたかその数もはっきりは分かりません。しかし、その爆弾はウランを使っているので地上にも被害が出ます。イラクで生まれる子供達はその被害を受けます。原爆や原発と同じような放射能症状の被害です。
また、イラク戦争に参加して、無事帰国したアメリカ兵にも影響が出ます。下痢ややる気のなさの症状(ぶらぶら病と呼ばれるもの)がでます。戦争には勝者・敗者はありません。すべてが敗者なのです。戦争で喜ぶのは、世界金融実業家や軍需産業で莫大な利益を作り出す人達です。指導者は命令はするけど自ら戦地には行きません。兵隊になる人は、決まって若い人で、貧しい人達が多いのです。生還して帰国するとGIビルという奨学金が支給されます。ドラフト制がなくなっても、貧困層を対象に兵隊を募ります。外国で生まれても兵隊に行けばアメリカ市民になれます。また、現在、戦争に行った人達が帰国しても精神異常をきたして毎日26人が自殺しているという統計があるそうです。こういうニュースはあまりメディアには出てきません。
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