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空軍パイロットの新入生の最初は、ビデオのシミュレーションで爆撃機の操縦法および爆撃命中法を習う。彼らの使命は、敵陣の建物や人命をできるだけ多く破壊することである。実践に際しては上官の命令通りに従う。過去の戦争を見ても、彼らは命令に忠実に爆撃を行ってきた。それで、敵陣の基地や建物、橋、鉄道等を破壊してきた。また、誤爆もたくさんあった。
病院・学校・住宅地を誤爆して、何万という犠牲者を出す。ただ、彼らは空の上から爆弾を落とすだけで、その建物の中にいる人々の痛みは感じない。一瞬にして、幼くして死ななければならない子供達、親、兄弟、家族、親戚達。爆撃で即死する場合もあるし、生き残っているけど手足を失わなければいけない人々。彼らは今後も生きていかなくてはならないのだ。肉親を失った人々の悲しみ、痛み。絶望の中から未来への希望を見出して生きてゆかねばならない。
人びとの悲しみ、痛み、苦痛等をパイロットは知らない。感じない。彼らは、建物を破壊するように命令され、ただ実行しているだけである。その建物の中で毎日生活している人々が一瞬にして地獄を見ることを予想すらしない。ただ、上官の命令に忠実に従うのみである。それが軍隊と言う組織なのだ。上官の命令に絶対的に服従する。これが彼らの使命である。すべては上意下達の組織である。
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