(cache) セレクト5presents 俺の5チャンネル|衛星放送のスカパー!

セレクト5presents 俺の5チャンネル

第28回 福谷修(職業:映画監督、脚本家、作家/年齢:48歳/家族構成:妻、子ども2人/スカパー!歴:10年)

HD放送で、映画を劇場のような高画質で楽しめるのがうれしい

"ホラー"という分野を中心に映画監督、脚本家、作家として数多くの作品を手がけている福谷修さん。映像&物語の作り手として活躍する彼は、スカパー!を自身の創作活動に役立てているようだ。

――まずはスカパー!に加入したきっかけを教えてください。

福谷修「もともとはスカパー!関連の仕事をしたことがきっかけですね。最初は、僕は名古屋出身なので中日ドラゴンズの試合が東京でもたくさん見られてうれしいなという感じで見ていました(笑)。でも本格的にスカパー!にのめり込むようになったのは"日本映画専門チャンネル"の『成瀬巳喜男劇場』ですね。成瀬監督は日本を代表する巨匠だと思うんですが、代表作を除くと、意外とソフト化されていないんですよ。これを見逃したら後悔すると思いましたね。その後、スカパー!ではHD放送が増えていき、多くの映画が劇場のような高画質で楽しめるようになりました。これは本当にすばらしいことですね。今はもう、スカパー!にどっぷりはまっています」。



――では普段、スカパー!は映画を中心にご覧になっているんですか?

福谷修「そうですね。ただ僕の場合、映画は見て楽しむのはもちろんなんですが、作品作りの資料として保存しておきたいという気持ちも強くて。演出のお手本としてだったり、小説のインスピレーションの源として活用しているんです。決してパクるわけではないですよ(笑)。小説『鳴く女』(福谷さん著)は、1度だけテレビで放送された幻の化け猫映画を追うというストーリーだったんですが、これを書いたときは、資料として録りだめていた化け猫映画を見まくりました。そういう面でもスカパー!は本当にありがたいです。あとはドラマもよく見ますよ。"ファミリー劇場"や"TBSチャンネル2"で'70年代の作品をよく見ています。"TBSチャンネル2"はドラマのTBSと呼ばれた黄金時代のラインアップが見応えありますね。山田太一脚本のドラマや沢田研二主演の『悪魔のようなあいつ』は今見ても圧倒されます。マスターテープが存在せず、幻のドラマといわれた「同棲時代」が放送された時もびっくりしましたね。ドラマも仕事の一環で見ていることが多いかもしれません。ついつい資料的価値を重視してしまいますから。仕事とは関係なく楽しんでいるのはドキュメンタリー。"ヒストリーチャンネル""ディスカバリーチャンネル""ナショナル ジオグラフィック チャンネル"ですね。あとは、仕事をしながらつけっぱなしにしているのが、 "スペースシャワーTV"。映画やドラマ、ドキュメンタリーだと、どうしても見入ってしまいますけど、音楽に耳を傾けながら時折ミュージックビデオを見るという感じで楽しんでいます。あと"日テレNEWS24"もつけっぱなしにしていることが多いですね」。

幻の作品をスカパー!で探すのが楽しい

――それでは5チャンネルを選んでいただけますか?

「ますは映画系から"イマジカBS"。映画ファンなら"これだけは押さえ ておくべき"という作品は、たいがいこのチャンネルで見られます。名作と呼ばれる映画が多すぎて、どれを見たらいいかわからないという人にオススメですね。しかも、例えば『道<最高画質版>』のように、"イマジカBS"の運営会社IMAGICA TVは画質をブラッシュアップするノウハウを持っていますから、古い作品でも美しい映像で見られる。すごくお値打ちなチャンネルだと思いますね。フェリーニの傑作ホラー『悪魔の首飾り』を含むオムニバス映画『世にも怪奇な物語』など、珠玉のホラーやサスペンスも充実しています。2つめも映画系で"ムービープラス"にします。ここは映画のセレクトが絶妙なんです。ホラーだと『地獄のモーテル』『スクワーム』など、DVD化はされたけど、ブルーレイは未発売の作品がHDの高画質で楽しめます。他にも、9月放送のジョージ・A・ロメロ監督(『ゾンビ』の巨匠)の『モンキー・シャイン』はSD放送ですが、現在はDVDが廃盤で、中古価格も暴騰していますので貴重ですね。そんな諸事情で鑑賞が困難な傑作、怪作、珍作が目白押しです。中でも、イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の『4匹の蠅』は、公開から40年近くソフト化されず、ホラー・ファンの間では"幻の作品"でした。5年前にようやくDVD化されたんですが、現在は廃盤。8月に"ムービープラス"で放送されるとのことで、HDでどんな映像になっているか楽しみですね」。



――映画系で2チャンネルが決まりました。3つめはいかがでしょう?

福谷修「"ファミリー劇場"にしましょう。自分が最も尊敬する脚本家の長坂秀佳さんや五社英雄監督も参加した『ジキルとハイド』、『ウルトラマン』などで知られる佐々木守さんが脚本を手がけた『三日月情話』など、幻のドラマの大半はこのチャンネルで見られるという感じですよね。しかも単にマニアックなのではなく、今見ても圧倒的に面白い。そのへんの目利きが素晴らしいと思います。さらに'70年代にオカルトブームを作り出した『木曜スペシャル』や、『アメリカ横断ウルトラクイズ』など、テレビが最も元気だったころの番組も放送されている。それらを見ているとテレビの面白さ、魅力、醍醐味を再認識できます。今見ても新鮮ですね。4つめはドキュメンタリー系にしたいんですが、"ヒストリーチャンネル"がいいですね。海外の番組だけでなく『映像の世紀』などNHKの名作ドキュメンタリーも放送しているんですよね。NHKのドキュメンタリーはソフト化されていないものもありますし、それらが見られるのも大きな魅力ですね」。

――いよいよ最後の1つとなりました。

福谷修「映画系ばかりになってしまうので悩むところですが、最後は"日本映画専門チャンネル"にします。もともとスカパー!にのめり込むきっかけがこのチャンネルですし、黒澤明監督の作品から特撮映画、時代劇、最新の話題作まで、日本映画の名作をほぼ網羅しています。もちろんHDです。一方で、作家主義で多くの名監督を輩出した映画会社ATGの作品など、いわゆる独立プロ系の、ソフト化の可能性が低いマニアックな作品も多い。俳優や監督に絡めた特集など、本当に必見の作品が目白押しで、視聴が追いつかないくらいです。しかし、こうやって選んでみると、僕は"幻の作品"に弱いですね(笑)。そんな作品が見られるチャンネルばかりになってしまった気がします。でも、毎月番組表をチェックしながら"今月はどんな番組が放送されるんだろう"とか"驚くような作品は放送されないだろうか"と、探すのが楽しいんですよね」。

――映画や小説の作り手として活躍される福谷さんならではの視点から、映画を中心にした5チャンネルが選ばれました。また、洋の東西を問わずたくさんの見逃せない作品もご紹介いただき、ありがとうございました!

※記載内容は2015年8月現在のもので、変更になる場合がございます。

取材・構成/竹内伸一

profile

'67・8・2生まれ。
愛知県出身。獅子座。A型。監督、脚本家、作家として多くのホラー作品を手がける。'06年「最後の晩餐」(監督・脚本)ではスコッランド国際ホラー映画祭で準グランプリを獲得。他に多部未華子主演「こわい童謡」(監督・脚本)など。「心霊写真部 劇場版」(原作・脚本)が7月にDVDとブルーレイで発売。
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