先ほど、「本当でしょうか?」という記事を書きましたが、こちらも本当でしょうか?というところですが、むしろドイツにとって「背に腹は代えられぬ」ということなのでしょうか?

al qods al arabi net とaljazeera net は、ドイツのメルケル首相が、トルコ首相やEU理事会議長らとともに、23日、シリアとの国境に近いシリア難民キャンプを訪れ、ドイツとしてはシリア内戦から逃れてきた難民のために、シリア領内に安全な難民の居住区を作るために努力すると語ったと報じています。
このトルコ国境に近いシリア領内の安全地帯という考えは、これまでトルコが一貫して主張してきて、これに対してオバマ等が、その安全を保障するには強力な軍事力が必要で、シリアが反対している現状では現実的ではないとして否定し続けてきた考えです。
国連も難民の安全を保障する仕組みがなければ、現実的ではないとして消極的な立場をとってきたとのことです。
但し、最近はアレッポ地方から多数の難民が、トルコ国境に避難してきて、トルコが国境を閉鎖しているために、国境地帯に滞留していて、国連関連機関や人道支援機関は、トルコが国境を解放することを求めている由。

トルコのhurryiet netもメルケル首相の訪問を伝えていますが、記事の第1の主題は、トルコ首相がトルコ人のEUへの無査証入国が実現しなければ、シリア難民の再受け入れはない、とのトルコ首相の発言を伝えていて、シリア領内の安全地帯に関するメルケル首相の発言は比較的小さく伝えています。

http://www.alquds.co.uk/?p=521232
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/4/23/ميركل-تزور-لاجئين-بتركيا-وتدعو-لمناطق-آمنة-بسوريا
http://www.hurriyetdailynews.com/no-migrant-readmission-agreement-without-visa-liberalization-turkish-pm.aspx?pageID=238&nID=98236&NewsCatID=341
取り敢えずは以上の通りですが、最近ではドイツ国内でもメルケル首相のシリア難民受入れの政策に対する反発が高まっており、同首相としても、シリア難民の流入を防ぐ最大の協力相手がトルコということで、トルコとの関係では「背に腹は代えられない」ということなのでしょうね