皆さん、こんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
最初の大きな地震発生から丸10日。
熊本から大分にかけて広範囲に及ぶ被災地では、次第に避難生活に格差が生まれ始めています。
震度7に2度も見舞われた益城町。
余震の恐怖にいまだに多くの人が、車の中で生活を続けています。
そして、水曜になって初めて震度7に襲われていたことが明らかになった西原村では、十分な支援の手が届いていない現実がありました。
16日午前4時ごろ、熊本市内の病院。
慌てないで、慌てないで。
けがしないように。
心臓マッサージを行うスタッフ。
小さな赤ちゃんの姿も。
廊下は搬送された多くの患者たちであふれていた。
熊本地震の本震発生直後の映像。
死者48人、重軽傷者1370人以上。
甚大な被害をもたらしている熊本地震。
おととい、バンキシャが向かったのは、熊本県益城町。
ここは14日の前震、そして16日の本震で、2度震度7を観測した。
町内にある住宅のおよそ半数、5400棟が被害を受けるなど、今回の地震で最も打撃を受けた。
建物には、危険と書かれた赤い貼り紙。
別の家には、黄色の貼り紙が。
これは応急危険度判定。
二次災害を防ぐため、倒壊の危険度別に分けられた3色の紙を専門の建築士が建物に貼り付けていく。
赤色は危険、黄色は要注意。
この紙が貼られた家へは、立ち入らないほうがいいという。
しかし。
壊れたわが家をね、見捨てては行けないよ、やっぱり。
一方、緑色の紙は使用可能とされる建物だが。
やっぱり怖いよね。
なんかあったら。
震度7、2回でしょ。
いつ来るか分かんないでしょ。
だから、車中泊しかないよねって今、話してたの。
やっぱり命が大事だ。
この地区では、危険と判定された建物の近くにも、テントや車で生活している、多くの住民たちの姿があった。
避難所には一度も行かれてない?
行ってないです。
入れないんですか?
もう満員でしたよ。
もう車を置くとこもなかったから、そんならここにおろうって。
ここのほうが自由ですからね。
14日に発生した地震からきょうで10日。
被災者たちは今、どんな生活を送っているのか。
バンキシャは、今回の地震で震度7を観測した2つの地域を取材。
それぞれの実情とは。
心不全の兆候は少なからずあります。
バンキシャが、益城町で出会った吉山大雅さん34歳。
吉山さんは4世代14人の大家族。
最初の震度7のあと、避難所へは行かず、祖父母や両親、弟夫婦らと、自宅の庭に暮らしていた。
この日、吉山さんが向かったのは、避難所となっている総合体育館。
廊下の両脇も、避難者の居住スペース。
体育館の天井が崩落し、使えないためだ。
廊下の一番奥にいたのは、吉山さんの家族。
実は、16日に、介護が必要な祖父母の面倒を見るため、吉山さんの両親と姉が付き添っていたのだ。
特に心配なのは、心臓に持病のある89歳の祖父。
敷地内にあった祖父母らの家は、本震で崩れてしまった。
隣にあった自宅も、外壁が崩れていることなどから、倒壊の危険がある、赤色の判定に。
吉山さんたちは、ここでどんな暮らしをしているのか。
調理器具はカセットコンロ。
家に残っていたにんにくを、めんつゆで味付けし食べていた。
ガスは回収してもらいました。
危ないので。
水道は断水しているが、飲み水は自宅近くの湧き水をボトルにくみ置きして使う。
洗濯やお風呂などはポンプでくみ上げた地下水を使用。
地震のあと、地下水に砂が混じるようになったが、そのまま使っているという。
食料など必要な物資は、主に友人や近所の知り合いなどからもらっている。
またいつも首から提げているのは。
ライトです。
いつ暗くなるか分からんけん、ライトです。
吉山さんの家は停電していないが、漏電による火災を恐れ、ブレーカーは落としたままだ。
建物が倒壊する危険と隣り合わせの場所。
だが、吉山さんがここで暮らすのには訳があった。
誰か、ここにおらんことには、危ないけん、常に防犯にも気をつけてですね。
見回りもしたりとか、いろいろしてます。
こっちにいるほうがストレスは?
全然もう、気楽にいけますね。
地震から1週間後の水曜日。
吉山さんの家に、避難所で生活している父、一廣さんが帰ってきた。
救急車、今いっとる。
救急車?どなたが?救急車で?
うちのじいちゃん。
保険証どこ?
避難所にいた祖父が、救急車で病院へ運ばれているという。
額縁が落ちたときに、こんなふうに腫れとったんですね。
足の腫れが引かん、ずっと腫れとるけん、一回診てもらったほうがいいでしょうということで。
熊本市内にある病院。
およそ4時間後、医師から検査の結果が告げられた。
心不全の兆候は、少なからずあります。
きょうから入院をして、点滴とお薬の調整をさせていただこうかなと思います。
もともと心臓が悪かった祖父、敏昭さん。
心不全を起こし、その影響で足の腫れがひどくなったと見られるという。
思いがけない緊急入院。
身の回りの品を急きょ、買い込む。
地震で転んだり、どんどんどんどん不安になって、かなりやっぱり地震が影響してますね。
本人にしては、避難所で生活するよりも、ここのほうが快適だと思いますよ。
余震、続いてますので、益城も大変やけんですね、気をつけてください。
どうぞ、よろしくお願いします。
いえいえ。
先の見えない避難所での暮らしに、限界が来ていた。
吉山さんが今、最も望んでいることは。
家を建てるなり、仮設住宅なら仮設住宅で、早く住めるようにしてもらって、今までのまともな生活というか、
木曜日、震度7を記録した熊本県西原村。
こちらの家も潰れてしまってますね。
ああ。
建物が崩れてしまっています。
1階が崩れてしまった家。
同じく震度7を記録し、大きな被害を受けた隣の益城町と変わらない光景が広がっていた。
本震のとき、役場のソファーで仮眠をとっていた倉田英之さん。
ソファーがそのまま、こんな感じで揺れるような。
それでがっしゃんがっしゃんものが落ちて。
倒れてきて?
そばにあった震度計を見にいくと。
7という数字が、確認できたということで。
本震が起きたとき、この震度計は震度7を示したという。
しかし、気象庁にデータは届かず、気象庁が震度7と明らかにしたのは、地震が起きてから4日も経過した20日水曜日。
取材するマスコミもボランティアの姿も、あまり見られなかったという西原村。
5人が死亡した。
直後の調査では、村全体の6割に当たる1431棟の家が全半壊したという。
消防団員の田中憲聖さん。
村に駐在する消防隊員の数も少なく、本震の直後、自分たちで救出活動を行うしかなかったという。
この辺から、開けて入って。
1階部分が押しつぶされた家。
中には60歳の男性ら2人が生き埋めになっていた。
柱があって、頭が結構、挟まれてましたですもんね、柱に。
近所の人と協力し、無事救出することができた。
救出されたのが、この男性。
幸い大きなけがはなかったという。
一度死んだ身だから皆さんのね、お役に立てればって。
がれきの撤去を手伝っていた。
震度7を記録した西原村。
この1週間、村民はどのように生活してきたのか。
村にある避難所に行くと。
荷物や毛布が床一面に置かれていた。
その避難所で、何やら人だかりが。
背中には、みんなで頑張ろう!と手書きのメッセージ。
アイーン!
地元にゆかりのあるものまねタレントのコロッケさんだ。
大変うれしいです。
もう、頑張っていこうと思ってます。
いやぁ、感無量でございます。
西原村の避難所は6か所。
1396人が不自由な生活を強いられている。
一方、避難所に行かない人も。
バンキシャが出会ったのは、廣瀬さん夫婦。
自宅の中を見せてもらうと。
あちら、壁が外れてしまっていますね。
そうです。
築12年。
ローンを払い終えたばかり。
しかし、中で暮らすことはできないという。
益城町などで行われている応急危険度判定もまだ。
避難所に行かない理由を聞くと。
お年寄り、子どもたち、もっと住めない、住む所のない方が優先じゃないですか。
現在は自宅前の車庫なら大丈夫だと考え、家電製品などを持ち込み、生活を続けている。
車庫の中には水が入った段ボール箱。
福岡の知人が車で届けてくれたという。
さらに、昼間には。
助かります。
ありがとうございます。
近所の人が、パンと下着、そしてお茶を分けてくれた。
夕方には近くに住む夫婦が、1週間食事を共にしている。
この日は本震以来、初めての温かいごはん。
断水が続くが、水などの物資がそろい、やっとお米を炊くことができた。
こんなほくほくのごはんは初めてです。
ごはんよ、一緒に。
一緒に食べる?
通りがかった近所の男性も夕食に招いた。
いただきます。
1週間ぶりのごはんですから、おいしいと思います。
手伝ってくれた人は、全部私ら、周りの人たちじゃないですか。
家族みたいな感じです。
周りの人たちと助け合う避難生活。
夜にはこんな動きをする人たちも。
村の消防団だ。
本震から1週間、県外ナンバーの車や、不審者の目撃情報が増えているという。
消防団は毎日、2、3時間置きに村のパトロールを続けている。
こういう行動をしているっていうのが分かれば、防げるのかなと。
消防団が実施するパトロールが、村の安全を守る、大きな役割を担っている。
しかし、彼らも被災者だ。
使命みたいなもんだけですね。
家族の安全が確保できれば、もう消防団の活動っていう。
ボランティアが入るのはこれから。
ではここで、こよいのご意見番をご紹介いたします。
まずは前の岩手県知事で、元総務大臣の増田寛也さんです。
こんばんは。
こんばんは。
そして、東日本大震災では、民間によります、大規模な支援活動を展開した早稲田大学大学院客員准教授で、スマートサバイバープロジェクト代表の西條剛央さんです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いします。
さあ、まずは増田さん、ご覧いただいたこの被災地の現状、どうお考えになりますか?
決められた避難場所じゃなくて、車などに自主的に避難されている方の数が、かなり多いように見られますね。
避難所に来ますと、いろいろな健康状態の把握などができるんですが、プライバシーが相当、犠牲になりますよね。
ですから、車の中でどうしても避難されるっていうのはやむをえないんですけれども、相当長くこれから、避難生活を続けるとなると、やっぱり限界があります。
ですから、この方々をどう把握して、きちんとした対応を取るか、これが一つ課題ですね。
それからあと、もう一つは、建物が2度も大きな地震で揺られて、その間もかなり余震がありましたので、やっぱり、危ないものと、そうでないもの、応急危険度判定を早くやらなくちゃいけないんです。
5000戸以上残っているといわれています。
この問題が大きな問題でしょうね。
西條さん、最初の地震から10日がたちました。
この現状、どのようにご覧になっていますか?
今、まさにおっしゃられたように、今回の地震の特徴は、本震だと思ってた地震よりも、さらに大きな本震が来たっていうことなんですね。
ということは、ここでさらに来るかもしれないっていう、この恐怖心ですよね。
ですから、帰れないということで、今まではここまで余震を、余震というよりも、次の本震みたいなものが来るかもしれないというふうに思っていた人がいなかったので、そこが地震というものの捉え方がわれわれの中でがらっと変わったというのが、一番大きなところかなと思います。
さて7000人以上が避難生活を送ります益城町には、連日、多くのボランティアが駆けつけております。
益城町社会福祉協議会の國元事務局長と中継がつながっております。
國元さん。
お忙しい中、ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
お世話になります。
きょうはよろしくお願いします。
被災者の皆さん方の厳しい避難生活が続いておりますが、時間の経過とともに、必要な手助けも変わってきているかと思います。
現在、この益城町でのボランティアの皆さんのニーズ、仕事のしかたは今、どうなっておりますでしょうか?
その前に、本日は622名のボランティアの方々が、北は北海道からお見えいただきました。
本当にありがとうございます。
さて、社協は21日にボランティアセンターを立ち上げたわけなんですけれども、初めはひなんじょの支援ということで、仮設トイレの掃除だとか、ごみ出しだとか、配食、それに、その準備、それに物品の仕分けとか、そういうことで進んできましたけれども、昨日のニーズというか、被災者の皆さんからのお問い合わせの中には、家で、家の中を片づけたい、また、家の周りのがれきを片づけたいということで、本日からがれきを片づけたり、部屋の中で家具を出したりということに、50軒ほど伺ったところです。
國元さん、多くの方々が避難生活を続けられる中で、今おっしゃったように、それぞれ個々のニーズというものがありますよね。
それをくみ上げて対応していくというのは、大変な作業になってきますね。
そうですね。
皆さんまだ、私たちは電話やファックスで、情報を聞いて、それをペーパーに落としていくわけですので、実際の現場を見てしているわけではないので、非常にそのへんが難しゅうございます。
そうですね。
そして國元さん、一方で、被災地では、ノロウイルスの集団感染なども伝えられていますが、そのあたりの衛生管理、衛生面への対応というのは、どうなさっているんでしょうか?
センターも先ほど言いましたように、4日前、立ち上げたばかりでした。
そういう要望を聞いて、仮設のトイレを増やしたり、手洗い場を付けたりというようなことで、やっと設置した、センターも動くようになりました。
國元さん、大変な状況の中、ありがとうございました。
くれぐれもお体を大事になさってくださいね。
ありがとうございました。
よろしくお願いしておきます。
今後ともお願いしておきます。
この一方で、支援物資を巡る課題も浮き彫りとなってきました。
夏目さん。
こちらは熊本市内の高校の校庭に書かれていたメッセージです。
カミ、パン、SOS、水。
この写真がインターネット上で拡散され、話題となりました。
政府や自治体だけでなく、個人レベルの支援の輪が広がる一方で、避難生活に必要な支援物資が、求めている人に届かないという現実が起きています。
物資を受け取ることができない人たちは、SNSなどを通じてメッセージを発信。
足りないものを求める動きも起きていたのです。
支援物資がなぜ、スムーズに届かないのか。
バンキシャは、その裏側に迫りました。
木曜日、熊本県嘉島町にあるスーパーでは、開店前から100人ほどの行列が出来ていた。
地震で5日間、閉めていた店が、食料品などの販売を再開したのだ。
店内では。
パンが1個、税込みで30円です。
スーパー再開のために、大量に仕入れていたパンなどを格安で販売していた。
お握りとカップラーメンから解放される。
被災者に食料は行き渡るようになってきた。
そして今、被災者に足りないもの。
ごみ袋、欲しいって言ったらね、それはどこでも欲しいって言ってるからありませんって言われて。
やっぱり下着とかですね。
ニーズは細かな生活用品へ変化していた。
しかし、益城町、南阿蘇村は、物資はほぼ足りているとして、きのう、物資の受け入れを一時中断。
熊本市も、中断を決めた。
最初の地震からきょうで10日。
支援物資の現状は。
お握りが、大量に捨てられています。
おととい、熊本県の隣、佐賀県鳥栖市にある日本通運の流通センター。
その倉庫には、支援物資と書かれた段ボールが大量に積まれていた。
食料の物流拠点という位置づけがされまして。
政府からの依頼を受け、この拠点から、被災地に物資を運んでいた。
現在は佐賀県の流通センターに一度集約し、自治体からの要望を聞いて、直接、届ける体制だ。
しかし、地震が発生した直後は、連絡せずに県に直接送っていた。
そのため、物資が滞留し、さばききれなくなったため、送り方を変更したのだ。
受け取る側の熊本市でも、混乱が起きていた。
熊本市の物流担当、井上さんに聞くと。
3日前ぐらいは、100台超えてたんですよ、トラックが。
需要と供給のバランスが崩れてきても、もうすでに発注されてたり、すでにトラック出てますから、こっちはもう受けなきゃいけないんで、それで、どんどん受けてくると、こういう状態で、ものがあふれてくると。
熊本市は支援物資の受け入れを一時中断。
集まった大量の物資はすべて配るなどしてから、支援態勢を整えるという。
膨大な支援物資に戸惑っていたのは、益城町でも。
物資を担当している福岡さんに、ピークだったときの受け取り表を見せてもらった。
5分、5分、10分、10分ってすごいですね。
今考えたら。
トラックなどで搬入された物資は、多いときは1日に40件にも上った。
政府以外からも、個人や企業など、全国からひっきりなしに届く支援物資。
意外にも、これが物資が届かない原因だと、専門家は指摘する。
地方自治体には、やはり非常にたいていは混乱しているわけですね。
そして人材もいないし、それから車両もないし、それから、フォークリフトといった物流機器もない、そして物流のノウハウもないわけですから、オペレーションの部分、ここの部分を早く民間事業者に頼んで、官民連携でやるのが一番いいと思うんです。
事実、益城町でもきのうまで、この支援物資で混乱していた。
こちらは個人が届けた支援物資。
スーツケースに、箸や紙コップがぎっしり。
それを職員が手作業で仕分けなければならない。
さらに。
ちょっと待って、いったん。
物資を届ける電話が次々とかかってくる。
仕分け作業に多くの人手が取られたため、物資を届ける職員が手薄に。
そのため、益城町では、ある工夫がされていた。
それはLINE。
毛布100枚。
これをやりだしてから、情報が早くなりました。
避難所の職員と、物流拠点にいる職員がLINEを結び、情報をやり取り。
この情報発信からおよそ2時間半後、避難所には。
毛布100。
益城町では、最初の地震から3日後、物流がスムーズにいくよう、こうした工夫をしていた。
SNSの利用は被災者も。
自治体が情報を吸い上げることができない状況で、今回、目立ったのはSNSによる支援を求める情報発信だった。
このSNSで救われた避難所もあった。
金曜日、熊本市内にある指定外の避難所、国府高校。
今たくさんの物資が届けられているが、月曜日には。
校庭には、SOSの文字が出されていた。
もう、何もなかった。
食べ物も来てなかったし。
なかったから、SOSとか出そうということにはなりました。
生徒らが率先し、物資が足りない状況を知らせるため、いすでメッセージを作った。
それが、ツイッターなど、SNSでも発信され、物資が届くようになったのだ。
しかし、今でも物資が足りないのではないかと、あらゆるものが次々と届くのだ。
そこで生徒たちは。
ほかの避難所で足りてないものとかを、国府高校、たくさん来たからそれを配りにチャリで行きました。
みずから、おむつなどの物資を避難所へ届けている。
ない所に運びます。
なんか電話かかってきたんですよ、友達から。
行ってきます!
行動力のある高校生が、率先して取り組んだこと。
人手が少ない避難所では、大量の物資が混乱の原因ともなる。
一方、大阪に住む森下雄一郎さん。
SNSで支援物資を募り、被災者のニーズを調べた。
できるだけ皆さんが必要としているものを、届けたいっていうので。
大阪から、今必要な物資を、被災地へ個人で届ける活動をしていた。
食料が足りないと聞いていた熊本市の避難所に到着すると。
きょうはじゃあ、もう必要?
そうです、そうです、必要ないってことで。
食料はすでに十分あり、新たな食料はいらないというのだ。
次に向かった避難所では、事前には、おむつが欲しいと言われていたが。
初めて母乳パットが入ってたんで、重宝した。
そうですか。
すごい重宝するんで。
そうですか。
おむつ以外の物資も喜ばれた。
ありがとうございました。
本当にありがとうございました。
どうも。
森下さんは、急な要望にも応えられるよう、事前に必要と言われたもの以外にも、多くの物資を用意していた。
きのう言われてたものがまたきょう、同じ所に行ったら、違うものになってるっていう、ニーズの違いをすごく感じた。
刻々と変わる被災者の要望。
おととい、被災地のごみ集積場を訪れると。
お握りが大量に捨てられています。
支援物資と見られるパンや炊き出しで使われたごはんなどが廃棄されていた。
ニーズに合った物資をどう届けるのか。
手探りの状態が続いている。
ご覧いただきましたように、支援物資が余る所があれば、足りない所もあるという現状ですが、増田さんはどうお考えになりますか?
被災地のニーズっていうのがですね、今もありましたように、刻々変わっていくんですよね。
地震の直後はね、水とか、とにかく食べ物、そういったものがすぐに必要になると。
日本の仕組みというのは、そういう現地での細かなニーズを市町村がまず把握して、それで政府のほうに要請を出して、それに応じて、いろんなものを届けるって、基本はそういう仕組みになっていたんですが、東日本大震災のときに、その市町村も完全に、町長さんが亡くなったり、やられたりして、そういう必要なものを把握することができない。
1週間ぐらいそういうのが続きましたね。
したがって今は、国からプッシュ型っていっていますが、おおよそ、こういうものが必要だろうってことを想定したものをどんどん流すと。
私は最初の直後、24時間とか、48時間ぐらいはそうやらないとですね本当に命に関わる話ですから、その仕組み、大事だと思うんですが、ただ、むだも生じやすい。
したがって、途中でうまく現地からのニーズを発信して、それで届けるというのは、仕組みが必要だろうと。
この最後のラストワンマイルのところが一番難しいですね。
西條さんは、5年前、東日本大震災のときにも、支援の物資、物資の支援に取り組んでこられましたが、この熊本の現状、どのようにご覧になりますか?
そうですね、正直、東日本大震災のときと全く同じことが繰り返されているなと、その間に起きた広島の土砂災害のときもそうなんですけれども、そういった印象ですね。
やはり、拠点避難所に、まず県の倉庫とか、大量の物資が届いて、それを仕分けして、さらに細かい所に届ける、ここがいっぱいになってしまうと、もう、さっきも報道にあったように、いりませんってなるんですけど、じゃあ、この末端の人たちにみんな必要なものが届いているかというと、そうではないということですね。
今回、個人がSNSで物資を送るという場合がありますけれども、それ、どうお考えでしょうかね?
そうですね、これは、便利なんですけど、非常に諸刃の剣のところがありまして、先ほど、高校の例は、すごく生徒さん、学生さんたちがいたので、人手があったので、成功したんですけども。
ちょっと難しいところがありますね。
例えば、フェイスブックとかツイッターとかに、これがこのぐらい必要ですって書いて、そのまま拡散してしまうと、これ、無限に拡散していくので、もう届き続けても、困ってしまうんですよね。
そのときに、こつがあるとすると、まずこれは何日に発信したものですということをちゃんと書くこと、それを広める人も、それを確認して、あっ、これだいぶ前のだぞ、これ、きっと届いているに違いないと判断をすると。
それから、ツイッターとかフェイスブック、こういったものは、届いたと思ったら、消すことなんですね。
届きました、もう要りませんと、細かくやっていくことと、広げる側は、文書をコピーペーストすると、ここはもう消せなくなってしまうので、シェアとかだけをする。
そしたらもとが消されれば、このシェアしたのも消されるので、そういった工夫は必要ですね。
そうですね。
個人レベルでもそうした工夫に加えて、西條さんが東日本大震災に続いて、今回の熊本の地震でも始めた仕組みがありますので、ご紹介します。
必要なものを必要な所に必要なだけ届けるために、ホームページ上で、避難所単位などの不足品リストを公開。
例えばこの例ですと、A避難所では、紙おむつが200袋必要なのに対し、これまで100袋分の支援が行われたことが分かります。
支援を考える人がこれを見て、追加で支援すれば、その結果もすぐに反映され、支援物資が重複せずに、届けることができるということですね。
増田さん、この仕組みどう思われますか?
こういうね、本当にリアルタイムでいろんなもののニーズを把握する、この仕組みを行政のほうもよく勉強してね、次に生かしたほうがいいと思うんですね。
カバーできるところと、なかなか最後、道路が不通になって、届けられないとか、いろいろあると思うんですね。
それをどう、あと自分たちで訓練などで補っていくかということが大事だと思います。
熊本市の被災地の一部自治体では、支援物資の受け入れを一時中断すると発表しました。
しかし、必要な人に必要なものが届けられていないというのも現実です。
多くの人々の力が今、求められております。
ここで地震関連のそのほかのニュースです。
右松さん。
お伝えします。
熊本地震で2人の行方が分かっていない南阿蘇村では、きょうも捜索が続いています。
南阿蘇村の高野台地区です。
こちらでは、住居のがれきや衣服が見つかった箇所を中心に、午前8時から捜索が再開されました。
きょうは時折、強い雨も降り、救助隊員らの足元がぬかるむ中、行方不明の男性の捜索が、続けられています。
一方、大学生の大和晃さんが、土砂崩れに巻き込まれたと見られる阿蘇大橋の付近でも、遠隔操作の無人の重機による、捜索活動が続いています。
きょうは、これまで捜索が行われなかった崩落現場の阿蘇市側でも、新たに捜索が始まりました。
しかし、今のところ、2人の手がかりになるものは見つかっていないということです。
地震の影響で、熊本から新水俣の間で運休が続く九州新幹線について、JR九州は早ければ、ゴールデンウィーク前の今月28日にも、全線での運転再開を目指す方針を明らかにしました。
また、石井国土交通大臣は、熊本県内の一部区間で通行止めが続く、九州自動車道について、今月中に、全線開通する見通しを明らかにしていて、九州を縦断する大動脈が次々と回復することになります。
熊本地震からの復旧を急ぐため、安倍総理大臣は、補正予算案の編成を指示しました。
本補正予算を活用することにより、当面の復旧対策に万全を期してまいります。
安倍総理大臣は、政府の対策会議で、補正予算案の編成を麻生財務大臣に指示したと述べました。
安倍総理は、住宅の確保や、生活再建支援金の支給、事業再建、インフラ復旧、がれき処理など、迅速に進めたいとして、6月1日までの今の国会中の成立を目指す方針を示しました。
夏の参議院選挙の行方を占う衆議院北海道5区と京都3区の補欠選挙の投票が行われています。
このうち北海道5区補欠選挙に立候補しているのは、届け出順に、自民党新人の和田義明さんと、無所属新人の池田真紀さんの2人です。
札幌市厚別区の投票所には、午前7時から有権者が訪れて、投票しています。
北海道選挙管理委員会によりますと、午後4時現在の推定投票率は28.27%で、前回よりも1.89ポイント下回っています。
北海道5区の今回の補欠選挙は、与野党対決となっていて、夏の参議院選挙の行方を占う選挙として、全国的にも注目されています。
投票は午後8時で締め切られ、即日開票され、今夜遅くには大勢が判明する見通しです。
一方、京都3区の補欠選挙には、ご覧の6人の方々が立候補しています。
この選挙は、自民党の前の議員が女性問題で辞職したことに伴うもので、自民党が不戦敗を決め、野党どうしが争う、異例の展開となっています。
投票率は午後6時現在で、19.53%と、前回、2年前を大きく下回っています。
北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン第1書記が視察する中、SLBM・潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に成功したと報じました。
朝鮮中央テレビはけさ、水中から上がるミサイルや、笑顔を見せるキム第1書記の姿を報じました。
発射実験について、飛行の安定性と核弾頭の起爆装置の動作を確認するもの。
すべての技術的な指標を満たしたと強調しました。
北朝鮮はきのう夕方、日本海でSLBM1発を発射していて、キム第1書記はこの発射を視察したと見られています。
また、キム第1書記は、われわれが決心すれば、いつでもアメリカと韓国に核で攻撃を加えられるよう、2016/04/24(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]
バンキシャ!は毎週、注目を集めている事件・出来事について、他にない切り口で検証を加える番組です。今週もスタッフは各地に飛び、ただいま取材中。ご期待ください。
詳細情報
番組内容
真相報道バンキシャ!は福澤朗と夏目三久がお伝えする〈新型〉報道番組。日曜の夜、その1週間の起きた出来事について視聴者の方に「なるほど、そういうことだったのか」と言っていただける番組づくりを目指しています。取り上げるのは、事件・事故・政治・経済からスポーツまで、硬軟とりまぜ幅広く。ニュースの新しい見方をご提供いたします。番組への情報、ご意見は番組HPまでお寄せください。
出演者
【MC】
福澤朗
夏目三久
【ゲスト】
番組ホームページ
http://www.ntv.co.jp/bankisha/
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