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【舛添知事定例会見録】米国出張の成果「ニューヨーク証券取引所で開会のベルを鳴らした」

【舛添知事定例会見録】米国出張の成果「ニューヨーク証券取引所で開会のベルを鳴らした」

定例会見で記者の質問に応じる東京都の舛添要一知事=4月22日、新宿区の東京都庁

《4月22日午後2時から都庁会見室で》

【冒頭発言】

 「熊本地震について、本当に改めまして、亡くなられた方々へのご冥福を心からお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様方に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。都としては、被災地での救助活動や医療活動に当たる専門チームや、現地で情報収集を行う職員を派遣するほか、簡易トイレや毛布などの救援物資を搬送するなど、人的、物的支援に全庁を挙げて取り組んでいるところです」

 「なお、昨日の深夜、国から急遽要請があり、避難所の運営や救援物資搬送の指揮に当たる職員がいないということで、本日、新たに30人を派遣します。先ほどヘリの音が聞こえたと思いますが、先遣隊4人につきましては、先ほど午後1時にこの都庁の屋上から、東京消防庁のヘリコプターで早速、出発させました。日が暮れるまでには熊本に着くと思います。残りの職員についても、今日中に出発させる段取りを整えております。特に南阿蘇村を支援してくれということなので、今、そういう要請に応えて動きをしております」

 「こういうように、今後も引き続き被災地のニーズをきめ細かく把握しながら、国や被災地の要請も踏まえて必要な支援を行ってまいりたいと思っております」

 「次はテロ対策です。ご承知のように、伊勢志摩サミットが近づいております。それに関連するテロ対策の取り組みについてお知らせしたいと思います」

 「ニューヨークで『911メモリアル』に参り献花しまして、ニューヨーク市長ともテロ対策の強化を協力してやろうということで、改めて都民の安全、安心の確保に全力を尽くす決意を新たにしたところです。1カ月先には伊勢志摩サミットが行われます。そこで、このテロの未然防止に向けまして、来週の28日の木曜日に『テロ対策東京会議』を開きますが、私と警視総監も出席しまして、十分な警戒を呼びかけてまいりたいと思っております」

 「それと、この新宿の本庁舎をはじめ、都が管理する各施設についても、巡回、点検の強化など段階的に警戒態勢を強化してまいりたいと思っております。具体的には、来週の28日から、庁舎出入り口のうちの2カ所を追加閉鎖いたします。さらに、サミットを6日後に控えた来月の20日からは4カ所の出入り口を追加閉鎖して、開放されている庁舎出入り口においても手荷物検査を実施させていただくとともに、駐車場では入庫時に車のトランクの内部チェックをさせてもらいたいと思っています。来庁者の皆様方にはご不便をおかけいたしますが、テロ対策ということで、ご理解、ご協力を賜りたいと思っております」

【質疑応答】

 --アメリカ出張の際に、東京にもブロードウェーを作りたいと表明されたが、具体的な場所は。移転する築地市場の跡地がその候補となっているのか。また、アメリカ出張の際の知事の宿泊費と航空機代が公表された。宿泊費は1泊当たりおよそ15万円は、条例が定める額の約3.8倍にあたる。この額についてどう考えているか。

 「まず後者の問題から先にお話をいたしますと、これはいろいろなご批判がありますので、検討チームも発足させて、今、一生懸命検討しているということでありまして、必要な経費については、これはきちんと使う。無駄なところは省いていく。その方針でやりたいと思っております」

 「それから、ブロードウェーの話は、やはりロンドン、パリ、ニューヨーク、こういうところを見て回って、なぜ東京が今言った3つの街に負けているのかというと、やはり文化で相当負けています。ブロードウェーのにぎわい、これはやはり、ソフトも含めて、ものすごく遅れているなと深刻に感じました。パリを見ても、ロンドンを見てもそうなので」

 「そうすると、こういうことがきちんとやれる、これはニューヨークでも、専門の方々ともお話ししても、やはりこういうものがないというのは、『東京は負けているね』ということなので、ぜひ、これは今後検討して、場所の選定、またどういう形でやるかも含めて、文化に関する有識者会議とか、いろいろな検討会議がありますから、こういうところで練って固めていきたいと思います。今、築地の話が出ましたが、築地ということで決めたとか、そういうことでは全くありません。いろいろな場所がありますから、今後の検討課題だとご理解いただければと思います」

 --海外出張費の件で、都民感覚、自分の生活感覚と比べて理解しにくい部分がある。ホームページで成果を示しているが、今後、理解を得るための成果の出し方とか、伝え方で、何か具体的なアイデアがあるか。

 「それは、随行なさった方は分かると思いますが、現場でちゃんと記者会見をして、どういう成果があったということを言っていますので、それは皆さん方もちゃんと伝えてくださっていると思いますし、また、ホームページを通じて申し上げたいと」

 「ただ、遊びに行っているわけではありません。物見遊山ではありません。仕事で行っているのだということをご理解いただいて、きちんと仕事ができる状況を整えるということも重要だということもご理解いただければと。そのことだけ申し上げて、あとはできるだけ、成果についても…。ただ、成果は自分の方で、『こんなにやって、ほら、どうだ』というような類のものでもないかなと思っているので、それは、ほかの人が、皆さん方を含めて、それから、今回だとニューヨーク、ワシントンの方々が、『ああ、これは良かったね』『ここは成果があったね』とか言ってくださることが本義なので、自分で『こうやって、これで、すごいだろう』と言う気は全然ないので、そこはご理解いただければと思っています」

 --出張費を検討するチームが発足した。改めて、そのチームで目指すものは。また、出張費を踏まえた上で、今回のアメリカ出張の成果をどう捉えているか。

 「前者については、これはいろいろな角度から検討するということで、無駄を排除するにはどうすればいいか、と。しかし、何度も言っているように、必要なところにはきちんと経費は使うべきであって、少し経費を節約したために、まともな仕事もできなかったというのだったら、何のために行ったか分かりません。そこはきちんとやらないといけません」

 「それから、東京の国際的な金融地位が極めて落ちています。ニューヨークに行っても、誰も相手にしないという状況だった。例えば、自分で言わないと言っていて言うのもあれなのですが、証券取引所に行きました。朝、ニューヨークのトップの企業の方々を集めて議論をして、東京の魅力についてきちんと説明をする。そうすると、『あ、そこまで東京はやっているのですか』ということで、『実は、東京で仕事をしたいので、パートナーを探していたので、どうすればいいですか』と。『では、どうぞ、東京都庁へ来てください。われわれがマッチングをやりますから』と。そういうことについてもお話をしてきたので、そこで東京の企業とニューヨークの企業がきちっと一緒になって仕事をして、お互いに利益をもたらすということになれば、非常に大きなプラスになります。こういうことをきちんとやってきた」

 「それで、ニューヨーク証券取引所で開会のベルを鳴らしました。あれはただ遊びでベルを鳴らしているわけではありません。そこに東京が招かれて、私が東京の代表としてその場でベルを押していいということは、ニューヨーク証券取引所というのは世界一ですから、これが東京の地位をきちんと認めてくれたということです。それで、アメリカ全部のニュースに流れるわけです。アメリカ人に会うと、『さっき、あなた、ベル鳴らしたそうだね』と、こう言ってくれるわけです。後ろに日の丸の国旗が掲げられます。全米に東京のプレゼンスをそこでぴっしりやるということは、先程来言っているように、シンガポールに負けているわけです。ニューヨークがそれを挽回していくきっかけになったので、長期的に見れば。例えばニューヨークについて言えば、そういうことがあると。ひとことでは言いきれませんが、私は十分な成果を上げたと思っています」

 --海外出張費の件で、宿泊費の基準について見直すことを検討する予定はあるか。

 「これも検討会議でどうするかというのは、今、全て検討させたいと思っております」

 --今度の参院選で導入される合区に関連して、知事会側は、合区に反対する立場だが、都知事は。

 「ワーキングチームで、確か中間報告を取りまとめるという話を聞いております。ただ、これはやはり、知事会には基本的に全部の知事さんに集まって、そこでじっくり、全部の知事で議論をすべきだと思います。あくまで、こういうたたき台だというのをワーキングチームで作っても、次の知事会できちんと議論をして、その場で案を見て、『私はこう思う』と、私も含めて各知事さんがおっしゃって、その上での話だと思いますので、今の段階で、まだ議論も全然していないので、今、判断を下すのは、少し時期尚早かなと思っています」

 --海外出張の宿泊費の件で、日本共産党都議団の出した資料によると、スイートルームでの会見記録は、石原都知事の時代からない。スイートルームについて見直すべきなのではないか。また、検討チームが調査した結果などは、どういう形で都民に開示されるのか。

 「後者は、例えば、入札などをやらないといけない部分は出してはいけない部分がルールでありますから、それ以外は出したいと思っています」

 「それから、部屋について言うと、先ほども申し上げましたように、会議のための部屋を一緒につけているのを、どう呼ぶかは、スイートルームと呼んでいるホテルもあるし、そうではない名前で呼んでいるホテルもあります。つまり、そこで毎日、会議をやるわけです。例えば今回などもものすごい頻度で会議をやったのは、熊本地震がありました。刻々、全部情報が入って、『どういう形で警察を派遣しろ』『医者を派遣しろ』と、こういうことを刻々やるわけです。そのために会議をやらないといけない。ホテルで会議のための部屋を特別にとったら、どれぐらいお金を取られると思いますか。そういうことのために使っているので、スイートルームという言葉だけで、遊び回っている部屋のような、そういう誤解があってはいけないということです」

 「それから、いろいろな方がお見えになりますが、極めて大事な政治的な話をするときに、公開すべきものではありません。ですから、来なかったとか、来たということで判断できる話ではないのです、はっきり言うと。結果として、仕事がちゃんとできないとだめだと。だから、仕事の内容を精査しておっしゃっていただきたいと思います」

 「先ほどの質問のように、『どういう成果があったのですか』と、そういう内容についての質問をもっと大きくしていただければありがたいなと。もう、全部この点に集中していますが、今言ったことを繰り返して申し上げるしかありません」

 --日本スポーツ振興センター(JSC)法の改正法が衆議院で可決された。これで東京都が新国立競技場建設費の一部を負担するという法的な根拠ができる道筋ができた。どう受け止めてるか。また、都負担分、400億円という額については。

 「まず、最初の方は法治国家ですから、法的な枠組みがないといけません。だから、地方財政法で、地方からの寄付が禁じられているので、そういう法体系のもとで、きちんと法的に整えるということなので、これは法治国家として当然のことだと思っています。そういう中で、これは国との間で、過去の繰り返しになりますが、よく中身を精査して、検討チームがしっかり検討をして、395億円の、これでいろいろな観点から、都民、国民の理解が得られるだろうと」

 「われわれ東京の五輪・パラリンピック大会でメーン会場に使いますし、それから、東京都のレガシーとして残ると、そういうことを総合的に加味しての数字であったわけですから、これを今後とも私は都民の皆様にご理解いただけるように…。いろいろな意見がある方もおられるし、そもそも五輪・パラリンピックを開くこと自体が反対だという意見の方もおられますので、いろいろな意見がある中で、都民の過半数のご理解が得られるように、今後とも説明の努力をしてまいりたいと思っております」

 --海外出張検討チームのメンバーは、都庁内部の人で構成されているが、外部の人材を入れるという考えはないか。

 「今のところは、都庁の中でしっかりまずやっていきたいと思います。必要ならば入れたいと、そういう方針です」

 --都庁の中での議論にとどまっているという批判もあるが。

 「いやいや、だから、まず、都庁のレベルでもやっていないのだから、それをまずしっかりやる。その上で、です。最初から外を入れる必要はありません。まず、自分たちの中でしっかり検討しないといけません。その上で必要に応じて、外部の者が入らないといけないときは入れると、それは私の判断でやります。とにかく、まず第一歩を踏ませてください」

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