安倍首相が被災者より真っ先に「わが軍」自衛隊を激励! 小泉首相の中越地震視察でもなかった露骨行動に唖然
首相官邸HP「総理の一日」より
昨日4月23日、安倍首相が熊本大地震後初めて現地を視察訪問し、復旧事業への国の補助率が上がる激甚災害指定について、週明けの閣議決定を表明した。被災地の蒲島郁夫熊本県知事が15日には早期の激甚災害指定を求めていたことを考えると、安倍政権の動きはあまりにも遅すぎる。
この安倍首相の現地視察と激甚災害指定の遅延の背景に、本日24日に行われる衆院北海道5区補欠選の風向きを変えようとの目論見があったことは、昨日の記事で述べた。だが、今回の安倍首相の現地視察のやり方には、また別の、不可解な点があった。
それは、熊本に到着した安倍首相が、被災者のいる避難所へ向かう前に、自衛隊の拠点への訪問を優先し、隊員を「激励」して回ったことだ。
昨日午前8時すぎに熊本県に到着した安倍首相は、ヘリを使って甚大な被害のあった益城町と南阿蘇村を上空から視察後、自衛隊の拠点や警察、消防の指揮本部をそれぞれ訪れた。毎日新聞によれば、安倍首相は〈自衛隊員に「2次災害に細心の注意を払いながら、任務を果たしてほしい」と強調。「避難所で不安な思いをしている人への生活支援には皆さんの力が必要だ」と呼び掛けた〉という。そのあと、村長らとの意見交換、災害対策本部の視察を経て、ようやく村内の避難所に訪問している。
念のため言っておくが、首相が、被災地で救出活動などの任務にあたる自衛隊員のもとへ行き「激励」すること自体を否定するつもりはない。
だが、順番が違うだろう。最初の大きな揺れから9日も経過して、ようやく被災地に足を踏み入れたのならば、まず最初にするべきことは、長期の避難生活を強いられている被災者たちを訪れ、環境改善と国の全面的支援を約束し、すこしでも安心させるように努めることだ。
実際、歴代首相の被災地訪問を確認しても、“避難所訪問を差し置いて自衛隊に激励を見舞った”なんてことは前例がない。
東日本大震災時の菅直人首相や阪神淡路大震災時の村山富一首相と比較するまでもなく、同じ自民党政権下の現地訪問視察、たとえば2004年10月の新潟中越地震での小泉純一郎首相のケースでも、避難所より先に自衛隊を激励するなんてことはなかった。
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