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東京別視点ガイドさんが主催の黒川紀章設計、
中銀カプセルビルツアーに参加してきました。
今回は、別視点ガイドの方以外に、特に建物内の案内を
中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの代表
さんがしてくれました。
この方は140室ほどの中銀カプセルタワービルのうち13
室を所有しているという方で、保存再生やイベントなどを
おこなっているそうです。

さてまずは、外の絶好の撮影ポイントである歩道橋から
私たちツアー参加者以外にも、外国人の方がたくさん
集まっていました、様々な雑誌に紹介されているので
ちょっとした名所になっていますね。
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橋脚と中銀カプセルタワービル
いかにも高度成長期、不思議の国東京な風景
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真下より、
一階はコンビニが入居しています。二階は中銀関連
の事務所です。
ちなみに中銀なかぎんは中国銀行ではなく不動産会
社で中央区銀座からとった会社名です。

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内部
10平米ほどのお部屋に、お風呂もついているので
大変窮屈ですが、郊外に自宅を所有しているサラリー
マンや経営者のセカンドオフィスや寝床として構想
されたものなので、寝るのと仕事をするには十分です。
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サラリーマン需要を考慮していたためか、どことなく
ビジネスホテルの雰囲気も感じます。
また棚も多くミニオフィスとしては十分
事実デザイナーさんの事務所としても使われていて、
ここを名刺にすると、話題になり、それで仕事がくる
事もあるとか。
設計者は船の内装をイメージしたそうです。
確かに丸い窓といい船室のようです。

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ソニーオープンリール。
現物を見たのは初めてです。なぜかテープは実家にも
ありました。たぶんデッキは捨てたのでしょう。

15歳のアイドルの子が最近取材で来たそうですが、
まったく何かわからなかったそうです。
私もレコードとか戦前の回転数の違う物は、レコード
とはわかりますが、今のでは聴けないの?と思いま
した。
そのうちカセットテープやCDもこうなるのか・・・
5年前親族が世話になったので、老人ホームにラジカ
セを寄付しましたが、あえてカセットテープ付きにしま
した。まだ現役の場所はありますし、売ってますね。
MDが先に消えたw
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ユニットバス
やはりここも船室ぽいですね。
狭い空間をどう圧迫感無くかつ機能的にと考えると
こうなるのかもしれません。
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ユニットバス内部。

残念ながら、お湯が全室ダメで、理由は、こちらの
建物は一括してお湯を沸かして各部屋に配分する
セントラル方式なのですが、配管が壊れ、内部に配
管が入り組み、どこが壊れているかもわからないの
でそのままなのだとか。
住民は、近くの銭湯を使ったり、お金をかけて給湯機
を独自に置いたりしているそうです。
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クーラー後付け
夏は40度近くになるので、お湯は諦めても、クーラー
はなんとか取り付けたそうです。



スライドショーで解説

今回このお部屋で、建物の解説の時間もありました。
お話から、私が興味をもった点を何点か紹介したいと
思います。

住民はどんな方


やはり個性的な方が多いようですが、デザイナーさんや
広告関係、曜日ごとに友人らが別けて使うシェアオフィス
として、むろん当初想定していた、サラリーマンや経営者
のセカンドオフィスとしても使われているそうです。
面白い方が多いので結束もあり、よく飲み会も開催される
ようです、そのような雰囲気から保存再生プロジェクトも
生まれたのかもしれません。


海外からもセレブが見学に

海外にも知れ渡り、見学日も多数の撮影者が外にいまし
たが。是非見学したいと、映画監督や俳優がくるそうで、
代表も何度かあったりしていて、コッポラ監督との写真も
見せてくれました。


今後どうなるか

一度この建物は建て替えが決議されたのですが、
(決議は過半数で可能)建て替えには五分の四の賛成
が必要です。保存派の住民も多く、とてもそこまではい
かないので、現在宙ぶらりんな状態になっています。

その中で再生プロジェクトの代表さん以下代表が
13室も所有し、またこの物件がほしい方の仲介もして
いるので、たぶんこのまましばらくは残るのではない
かと思います。むしろどんどん保存派が増える。

黒川さんが望んでいたらしい世界遺産というのも、
そういう構想や推薦が無いこともないそうです。
そうなると、この国は手のひら返しでとなるかも



投資物件として 


都心で13室所有のオーナーとなるとものすごい資産家
と思うかもしれませんが、最初に買った部屋が400万程
度でそれが一番高く買った部屋だそうです。
相当傷んで水漏れカビなどひどい部屋を200万程度で
購入したこともあるとか。
そういう部屋を業者任せにせず、土日に自分で修繕して
賃貸できるまで再生しているそうです。
確かに、大家向けの本にもそういう事は書かれています、
が、代表は壁紙交換やモルタルを塗る程度だけでなく、
腐った床や浴室窓の交換までやったそうです。

さらにこの方がすごいのは、保存再生プロジェクトを立ち
上げ同じような仲間を増やしたり、建物の魅力アップ、再
生、紹介そしてイベント、やっかいな管理会社、管理組合
の交渉もおこなっている点です。

そのためか、越後湯沢の捨てられた投資マンションよりは
ややまし程度の放置された値段で出されていたこの
物件も、今は600万~800万で出たりするようです。

事実この日も、明らかに不動産関係者と思われる方が
内見に来ていました、僕らが参加したツアーとは別ですw
よい出物があったら、再生して投資家に販売と考えてい
るのかもしれません。
代表さんにその辺も聞きましたが、そういう業者さんが注
目することも含めて歓迎なようです。
利に目ざとい業者がくることは、それだけ価値が認めら
れてきたということです。

現在賃料も6万から7万程度で安定してきたそうです。
そうなると 例えば550万で購入して、家賃が6.5万
として×12か月年間家賃78万円
78万÷550 0.156を100倍で 利回り15%超えとな
ります
こいう物件はなかなかないです。

ただ、この建物は建て替えが決議されている宙ぶらりん
な建物です。 まず銀行からの融資は出ないと思って
ください。現金の用意が必要です。
自分で出来ればよいですが、修繕は業者にとなると。

また、いろいろ不測の事態、地震や水道関係の故障、
共益部分で莫大な費用がかかることも想定してください。
しかも、この物件は建て替え決議がされています。
共用部分での費用がどうしても必要な場合相当揉める
はずです。

ですので、お勧めとしてはプロの方は割り切って投資
もよいですが、 このプロジェクトに参加したい、盛り上
げたいという方が、まずは賃貸で住んでみて、購入も
というのが良いのではないでしょうか。


当事者たちの正しい地域再生事業


今地方で、様々な地域再生事業がありますが、補助金
頼みで、とても利益が出ないような企画も多いです。
また、他の地方でやったようなテンプレ企画を売り歩くコ
ンサルもいるようです。
あるいは、素人のカフェや内輪企画などにも理由を付けて
補助金とか狂っているとしか思えません。

それで結局、魅力のないゾンビ企業の延命や、地域再生
ゴロの跋扈、補助金が当たり前の態度になる怠惰な住民。
それを支え続けなければならない地方と最悪な結果にな
る場合もあります。

町おこしも地域再生も、基本的インフラは別ですが、
当事者が考え、身銭を切り、利益が上げられることが前提
でなければいけません。

その点このプロジェクトは、オーナーや住民が自ら立ち上
がり魅力を広めようとしているのが大変すばらしい、
現に、宙ぶらりんな状態なのに価格も上がり始め、業者ま
で目をつけ始めています。 たいへん健全なサイクルです。
最初に価値を見出し行動を開始した代表には頭が下がり
ます。

正直書いていて私も欲しくなりましたが、現金一括であろう
点がねw 


最後にどうしても中が見たい方へ

あくまでこのマンションは一般住宅なので、勝手に入る
事はできませんので、今回のようなツアーに参加する
のがベストでしょう。
大変人気なツアーだったようで、開始三分で売り切れ
私も張り付いて予約しました。
このように好評でしたので、次回も考えているそうです。
東京別視点ツアーをチェックしておくか、
Twitterをフォローしておくとよいでしょう。
http://www.betsushiten.com/

また、アーティストがイベントを開催したり、洋服の販売を
することもあるようなので、入場予約制のようですが。
そういう情報は
中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
さんのサイトやFacebookにもでるのでこちらもチェック
しておくのが良いでしょう。

まあ
不動産賃貸物件として出ているか探して案内してもらう
という手もあるがw 住みたくなりますよ衝動契約するかもw