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【プロ野球】

広島・黒田 新井と“絆”の1勝で日米通算200勝にあと4勝

2016年4月24日 紙面から

◇広島3−2阪神

先発し、7イニング無失点で3勝目を挙げた黒田

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 広島の黒田が7イニングを無失点で3勝目。無四球と制球も良くチームの連敗を止めた。打線は3回に菊池の適時打で先制、8回に代打松山が2点二塁打を放った。阪神は岩貞が好投したが、反撃が遅かった。

      ◇

 広島・黒田の絶望は一転、歓喜へ変わった。救世主は新井だ。1−0の7回無死。ゴメスの一塁線の打球を横っ跳びでつかむと、素早くベースを踏んだ。大声援が注がれる中、右腕は深く息をつき、頼れる後輩に温かな視線を送った。

 「あのプレーが勝敗を分けた。僕にとっても、チームにとっても、非常に大きかった」

 抜けていれば無死二塁のピンチだった。「完全にやられたと思ったから。まさか捕るとは」。起死回生の超美技に感謝は尽きなかった。

 2死二塁。最後は今成をフルカウントから8球目、内角のカットボールで右飛に打ち取った。7イニング4安打無失点。チームの連敗を止めるリーグトップタイ3勝目だ。

 前回登板の16日・巨人戦(東京ドーム)は5イニング6失点でKO。9日・阪神戦(甲子園)で左足首付近に打球を受けた影響から、調整期間に走り込みができなかった。1週間の修正期間。「状態はよくなかったが、いい時を追い求めても仕方ない」。ベテランの経験が生きた。内角球を駆使した116球。阪神打線を寄せ付けなかった。

 新井と黒田。運命に導かれるように、2人は広島に戻った。「アイツなら何があっても諦めがつくというか、諦めざるを得ない。それぐらい全て一生懸命やってくれる」。背中で感じる安心感。新井は好守に「黒田さんの時は、最後のひと伸びがある気が…」と不思議な力を明かす。2人の絆で手にした1勝だ。

 これで日米通算200勝まで残り4勝。「それはあまり…」。お立ち台では勝利の余韻に浸ることなく、偉業まで残り3本に迫った新井へ熱いエールを送った。

 「一生に一度しかない。ぜひチームが勝って、ここで達成してほしい」。2000年代前半。空席の目立つ球場で必死に勝利を目指した。観衆は今季最多3万1748人。祝福ムードは最高潮だ。3安打が必要だが、広島で偉業を−。黒田は劇的なクライマックスを信じている。 (田中政行)

 

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