韓国の免税店を訪れた中国人客、やけに質問が多いと思ったら…

中国人客の急増で覆面調査員の派遣増える
接客や身なりなど20項目余りを評価

韓国の免税店を訪れた中国人客、やけに質問が多いと思ったら…

 韓国・仁川国際空港の免税店に入るブランド化粧品売り場の女性店員(30)は2月、ある中国人客に泣かされた。中国語で美容クリームの成分を尋ねられたが中国語で答えられず、口ごもった末に英語で答えたのが失敗だった。数日後、店員のもとに「中国語が話せず接客能力が低い。サービス評価は100点満点中20点」と書かれた評価書が届いた。この中国人は客ではなく、化粧品会社が送り込んだミステリーショッパー(覆面調査員)だった。

 韓国を訪れる中国人観光客の急増に伴い、韓国国内の免税店に売り場を構える化粧品会社やアパレル会社がこぞって中国人の覆面調査員を雇っている。訪韓中国人客数は2010年の187万5000人から昨年には598万4000人と、5年間で3.2倍に増えた。昨年は訪韓外国人客(1323万2000人)の45%が中国人だった。

 免税店業界によると、中国人の覆面調査員は1年ほど前から本格的に派遣されるようになったという。韓国の免税店に入るブランドの半分ほどが中国人を含む覆面調査員を送り込み、サービスの質を調査しているとされる。

 覆面調査員が評価するのは店舗の清掃状態や店員の身なり、接客態度、外国語レベルなど20項目余り。主に客の多い時間帯に現れ、中国語で数十もの質問を浴びせるため、店員にとっては恐ろしい存在だ。店員の間で、中国人の覆面調査員はクレーマーより怖いとさえ言われている。

 ソウル市内の大型免税店のブランド品売り場で働く勤続3年目の店員(29)は昨年末、マネジャーから「エスカレーターの前で1カ月間、あいさつをしていなさい」と指示されて売り場から追い出された。接客に忙しく、中国人の覆面調査員への対応がおざなりになってしまったためだ。店員は「覆面調査員が来たら本当の客も無視しろというのか」と不満を見せる。

 済州島の免税店で働く店員(35)は「覆面調査員のように見える人が来店したら『どうか話しかけられませんように』と祈っている」と明かした。

イ・スルビ記者
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