データを勝手に暗号化 ウイルス感染被害急増

データを勝手に暗号化 ウイルス感染被害急増
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企業や個人のパソコンがデータを勝手に暗号化するコンピューターウイルスに感染し、データが読み取れなくなる被害が全国で急増していることがセキュリティー会社の調査で分かりました。
セキュリティー会社によりますと、ことしに入って企業や個人のパソコンがコンピューターウイルスに感染し、保存していたデータが読み取れなくなる被害が全国で相次ぎ、先月までに少なくとも130件と、去年1年間の件数を上回るペースだということです。
こうしたウイルスは、感染するとパソコンに保存してあるすべてのデータが勝手に暗号化されて読み取れなくなり、元に戻すための金銭の支払いを要求する画面が表示されることから、「身代金型」のウイルスと呼ばれています。
送りつけられたメールの添付ファイルを開いたり、ソフトウェアが古いパソコンで特定のホームページを閲覧したりすることで感染するということです。
セキュリティー会社、「トレンドマイクロ」の染谷征良さんは、「急激に被害が増えており深刻な事態だ。金銭が要求される画面が表示されても支払わずに相談してほしい。万一の感染に備えて、パソコンのデータは定期的にバックアップを取ってほしい」と注意を呼びかけています。

被害に遭った市役所は

「身代金型」のコンピューターウイルスによる被害は、自治体や病院、学校などでも起きています。
このうち、東京の町田市役所では去年12月、職員4人に件名や本文がないメールが届き、このうち1人がパソコンでメールに添付されたファイルを開いたところ、ウイルスに感染したということです。
ウイルスはパソコンだけでなく、接続されたサーバーや記録媒体のデータまで読み取れなくする仕組みで、ファイルを開いた職員が所属する部署のサーバーのデータが勝手に暗号化され、使えなくなったということです。
町田市役所では、データのバックアップを取っていたため復旧できたということですが、一部の業務に影響が出たということです。
町田市情報システム課の中田直樹課長は、「データが暗号化された時は、まさかという感じですごく怖かった。システムの強化だけでなく、研修や訓練を通じて職員のセキュリティ意識を高めていきたい」と話していました。