広大な中国大陸は、寒帯から熱帯まで気候分布も幅広く、大都市を中心に花見の名所は少なくない。上海一の桜の名所ともいわれる「顧村公園」では、「芝生の上でピクニックを楽しむ観光客も少なくない」と、日本に似た花見の様子が地元のニュースサイト「東方網」で報じられている。
ただ、「食事後、ゴミ箱が近くにあるのにポイ捨てする」、「樹木を故意に揺らす」といった観光客の行為に、公園関係者が頭を抱えている-というニュースも、3年前から報じられていた。
今春も香港紙「明報」が、桜の枝を揺らして花びらの雨を降らせたり、桜の木に登って写真撮影する観光客について報道。中国でも花見の迷惑行為は社会問題として指摘されてはいるが、不届き者は後を絶たない。
ただ、中国での花見は日本のスタイルとは少し異なるものもあるようだ。奈良を訪れた河南省のリ・ユエンチーさん(27)は「私の故郷やその周辺では、花見で飲食する人はあまり見かけない。花見酒などは日本独自の文化では」と指摘。香港の教師、デン・インシャンさん(29)も「そもそも、香港には日本のようにたくさん桜がない。花見といえば、写真撮影を楽しむこと」と話した。