ネット上のブログや報道記事などに対し、コメントを書く欄は必要だろうか。つい先日、大統領の海外歴訪を報じる記事に、3000以上のコメントがごくわずかな時間のうちに一瞬にして書き込まれたが、どれも非常に下品で常識外れの内容ばかりだった。また芸能人がネット上の根拠のないデマに苦しみ、訴訟を起こしたり、時には自殺したりするケースもあった。ネットで自由に書き込めるコメントに対しては普段から懸念していたが、国家元首に対してまで下品な言葉を使って平気で批判してもよいものか。もちろんこの種の下品なコメントのレベルは、どのような記事でも基本的に大差はない。
ネットのコメント欄は良いことしか書けないものではない。しかし自らの意見を開示するときは、慎重かつ丁重な姿勢で伝えるべきだ。文章はその人の人格を表すとよくいわれる。言葉は口の外に出た瞬間に消えるが、ネットの書き込みはおそらく永遠に残るため、それだけ恐ろしいものであることを知るべきだ。
上記の3000近いコメントの中で、知性や品格を感じられるものはほとんどなかった。ネットに書き込まれるコメントが見るに堪えなくなったのは最近の問題ではない。それなのにこの泥沼のような書き込み欄が今も放置されているのは到底理解できない。IPアドレスを追跡するだけでは、この種のコメントを減らすのは難しいだろう。将来を担う子供たちもネットのコメント欄を見ている。ネットの文化を明るく健全なものとするための意見交換は必要だが、それ以外の無用なものに関しては、最初からコメント欄をなくしてしまってはどうか。